2018年04月29日

アルベルト・ウィリアムス(Alberto Williams)アルゼンチンの作曲家

https://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10261626901.html
2009年5月15日

《転載開始》

アルゼンチンと言えば、
アルベルト・エバリスト・ヒナステラ(Alberto Evaristo Ginastera)や
アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)が有名ですが、
私は、19世紀に活躍、ないし、
19世紀から20世紀にかけて活躍した作曲家が知りたいなと思い、
調べてみたところ、勿論いました。
 
サトゥルニノ・ベロン(Saturnino Berón, 1847-1898)は、
民族舞曲の旋律を用いた
交響詩『パンパ』(Poema sinfónico "La Pampa", 1878)や
『ブエノスアイレス交響曲』(Sinfonía Buenos Aires, 1878)を書き、
アルトゥロ・ベルッティ(Arturo Berutti, 1862-1938)は、
アルゼンチン交響曲(Sinfonía Argentina, 1890) を書きました。
 
『ブエノスアイレス交響曲』と言えば、
ピアソラも『3楽章の交響曲”ブエノスアイレス”』を書いてます。
『アルゼンチン交響曲』と言えば、
フアン・ホセ・カストロ(Juan José Castro)によるものもありますが、
現代音楽家であるため、余り期待はできません。
 
とはいうものの、上記の曲は、
ピアソラの『3楽章の交響曲”ブエノスアイレス”』以外、
CD化を確認しておりません。
CD化している19世紀から活躍した
アルゼンチン作曲家の曲を今回は紹介します。
 
 
 
アルベルト・ウィリアムス
Alberto Williams(1862-1952)
 
Alberto Williams.jpg
Alberto Williams - Wikipedia
 
ブエノスアイレス生まれ。
経歴についてはこちらが詳しい↓
Alberto Williamsについて - 中南米ピアノ音楽研究所
 
多作家として知られ、交響曲は9曲も書いています。
一体何百曲作曲したのか?全集CDを出すのは極めて困難と思われる。
しかも、ロマン派真っ只中の時代に生まれ、
現代音楽真っ只中の時代まで生きるという長寿であったため、
前期から後期にかけて作風が変化しているようです。
初期は、平均的なロマン派の曲を書いていたようですが、
中期は、ガウチョ(Gaucho)の音楽の影響を受けた『国民楽派』的な曲、
後期は、印象派などの『ポストロマン派』的モダニズムの影響を受けた作風。
でも、原則的にはロマン派の枠内という穏健な作風。
 
交響曲第7番ニ長調『永遠の休息』(1937)
Séptima sinfonía en re mayor, op.103 "Eterno Repos"
エジプトが題材のようですが、メロディ的にはラテンアメリカ風です。
第1楽章(ピラミッド La Pirámide)は、
のっけから、ゆっくりとしたテンポだが、
不協和音で聴く者を畳み掛ける様な威圧的旋律が登場する。
ショスタコーヴィチの『交響曲第5番』の冒頭のような・・・。
が、4:00辺りからは、
印象派風の夢見る様な優しい感じの夜想曲風メロディが暫く続く。
8:10辺りから、冒頭のメロディが再び現われるが、その後、
それまでとはうってかわって華やかな雰囲気に変化し、
派手々々しく締めくくられる。
第2楽章(アメンの踊り子 Danzarinas de Amón)は、
如何にもラテンアメリカの社交ダンスを思わせる
『ハバネラ』のテンポのメロディがメインで現われる、国民楽派風の曲。
第1楽章とは極めて対照的で明るい雰囲気。
ハープ等によって、中華風(?)のメロディも出てくる不思議な曲。
ヴァイオリン独奏部分なども聴くと、
色んな要素が雑多に入っているなと思った。
うっとりするような夢見るような感じで優しく締めくくられる。
第3楽章(ガラガラヘビの選手 Tacadoras de crótalos)
カスタネットが出て来て、如何にも『フラメンコ』っぽい。
ラテンのダンスの雰囲気。
第2楽章とは違い、
優雅さと緊張感の混ざった速いテンポの曲が前部と後部に置かれ、
中間部は逆に優雅でゆったりとした対照的メロディとなる。
第4楽章(永遠の休息 Eterno Repos)は、最初、弦楽によって、
印象派風の夜想曲風メロディが奏でられる。
が、7:30頃と8:30頃に、
いきなり激情的な強奏が出て来て聴く者を驚かす!!
9:30を過ぎた辺りから、金管による勇壮な行進曲風メロディが現われ、
そのハッピーエンドな雰囲気のまま、
栄光に包まれている様な感じで締めくくられる。
 
交響詩『イグアスの歌』(1943)
Poema sinfónico "Poema del Iguazú" , op.115
『イグアス』とは、
先住民族『グアラニー族』の言葉で「大いなる水」(Y Guazú)を意味する。
『イグアスの滝』は、
ブラジルとアルゼンチンに跨る世界三大瀑布の一つとして有名。
 
4楽章構成である。
『イグアス川』を描写したものだろうか?
ローカルな題材を扱っているという意味では国民楽派的だが、
メロディライン的には無国籍的なロマン派や印象派などの作風で
余り特徴的なものが見出せず、国民楽派的要素が余り感じられない。
 
その為、全体的にマンネリズム的退屈さを感じてしまった。
第4楽章のクライマックスの力強いファンファーレ風旋律は、
『イグアスの滝』を描写したものだろうか?
そういった部分等、聴き所は幾つもあるにはあるが。
 
Alberto Williams, LC 3480.jpg

アルベルト・ウィリアムス『交響曲第7番』『イグアスの歌』
演奏:グラン・カナリア・フィルハーモニー管弦楽団
(Orquesta Filarmónica de Gran Canaria)
指揮:エイドリアン・リーパー
(Adrian Leaper)
【LC 3480】1997
 
 
 
【追記】
肖像画像追加(2018/5/5)

《転載終了》
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2018年04月15日

オスカル・リンドベリ(Oskar Lindberg)を聴く(YouTubeから)

https://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10267523988.html
2009年5月25日

《転載開始》

Oskar_Lindberg.jpg
Oskar Lindberg (composer) - Wikipedia
 
オスカル・フレードリク・リンドベリ(リンドベーリ)
Oskar Fredrik Lindberg, 1887-1955
スウェーデン国民楽派の作曲家。
生年からして、明らかに20世紀から活躍した作曲家だが、
作風は至って穏健なもの。
時代が時代だけあって、印象主義などの作風も混ざっていたりするが、
基本は民族的ロマン派の叙情性に溢れている。

リンドベリの特徴は、
何と言っても『スウェーデン国民楽派の典型・王道』を目指した様な作風。
一般的に、独自の作風を確立しようと躍起になるのが作家というものだが、
この作曲家は、それとは逆方向を目指した様な作風である。
何か特別に際立った特徴というものは無いが、
民謡を基にしたロマン派の作風は、
『如何にも北欧』『典型的北欧』『所謂北欧』という言葉がぴったりなので、
『北欧クラシックファン』を自認する方は、絶対聴いたほうがいいと思う。
北欧クラシックファンである私が言うのだから間違いは無い。

スターリング(Sterling)から管弦楽曲集CDが2種類ほど出ていて、
ジャケットの色が黄土色の古い方は手に入りにくいが、
新しい方の赤茶色のジャケットのCDは手に入りやすい。
いずれ、それら管弦楽曲集を聴いた感想を書く予定。
 
ここに紹介する曲は、
「聖霊降臨祭」(Pingst, ペンテコステ)という無伴奏合唱曲。
宗教曲とはいうものの、北欧的叙情性を湛えた優しい感じの曲である。
 
「聖霊降臨祭」(Pingst)1911
指揮:ラグナル・ブーリン(Ragnar Bohlin)
合唱:マグダラのマリア聖楽合唱団(Maria Magdalena Motet Choir)

【追記】
肖像画像追加
フレドリク → フレードリク
「リンドベーリ」表記も追加(2018/5/2)

《転載終了》
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2018年04月01日

フリードリヒ・クーラウ(Friedrich Kuhlau)を聴く(YouTubeより)

https://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10269211052.html
2009年5月27日

《転載開始》

800px-Kuhlau_Friedrich.jpg
フリードリヒ・クーラウ - Wikipedia
 
ダニエル・フリードリヒ・ルドルフ・クーラウ
Daniel Friedrich Rudolph Kuhlau(1786-1832)
彼については、後日正式に紹介します。
彼は、幼少の頃に井戸に落ちてしまい、
それがきっかけで右目の視力を失ってしまいました。
(追記:失明原因には他にも諸説あり)
肖像画を見ると、右目を瞑っています。
最初に見た時、ウィンクしているのだと誤解してしまいました。
しかし、ドイツからデンマークに渡り、
その地で宮廷音楽家にまで登りつめました。
サクセスストーリーですね。
 
で、彼の作風は一風変わっています。
当時としては前衛音楽家と見なされ、
『北欧のベートーヴェン』みたいに見られていたようです。
実際、同時代の作曲家ベートーヴェンとも面識があったようです。

しかし、私が聴いた所、ロマン派よりも古典派臭を感じます。
でも、その中ではじけてるんです!!
『前衛的古典派』とでも言うのか(私が勝手にそう思っているだけですが)。
例えば、序曲『ウィリアム・シェークスピア』の冒頭のフレーズなんかは、
現代の感覚で聴いてもかなり型破りな印象。
ロマン派音楽が台頭してきたばかりの頃にしては、
かなり大胆なフレーズの様に感じるのですが。
ロマン派というよりは古典派臭が強いですけど。
でも、前衛的という意味で、ロマン派音楽の先駆けの一人と見なされている。
 
それから、もっと凄いのは、
未だ『国民楽派』『民族楽派』といったものが登場する以前に、
デンマークやスウェーデンの民謡を自作に取り入れたりしていること!!
時代の先を行っていたのです!!
『北欧国民楽派』の、かなり早い時期の先駆けの一人と言えます。
 
『国際フリードリヒ・クーラウ協会』の日本語サイトがあったりします↓
http://www.kuhlau.gr.jp/
 
で、今回紹介するのは、彼の代表作である
劇音楽『妖精の丘』(Elverhøj, 1828)
の『序曲』です。
フレゼリク4世の皇女ヴィルヘルミーネと
皇太子フレゼリク(後の7世)の婚礼の祝祭劇のための演目として、
ヨハン・ルーズヴィー・ハイベア(Johan Ludvig Heiberg)の
戯曲『妖精の丘』が選ばれ、作曲はクーラウが担当することになりました。
この劇音楽には、自作の音楽もあるけど、北欧民謡がふんだんに用いられており、
国民楽派の先駆けの一つとして重要な地位を占めています。
実際、王立劇場で最も上演回数が多い程の人気演目となったようです。
 
序曲の最後の部分には、
デンマーク国歌『クリスティアン王は高いマストの傍に立ちぬ』
(Kong Christian stod ved højen mast)が用いられています。
童謡『山の音楽家』(ドイツ民謡)に似ているような・・・。
デンマーク国歌には『市民用』(麗しき国, Der er et yndigt land)
と『王室用』の2種類があり、後者が用いられています。
 

 
 
 
【追記】
肖像画像追加
本文中に失明原因についての追記
動画が削除されたので新しく上げ直し(2018/4/8)
 
フレデリク → フレゼリク
デンマーク語の「Frederik」は、
厳密には「フレアリク」「ファリク」と聴こえますが、
便宜上「フレゼリク」と表記しておきます(2018/4/30)

《転載開始》
タグ:デンマーク
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