2016年12月04日

スコットランド狂詩曲の色々(Scottish Rhapsodies)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10440496561.html
2010年1月22日

《転載開始》

私の知る限りでは、
スコットランドの国民楽派的な最初のクラシック曲は、
フェリックス・メンデルスゾーン
Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy(1809-1847)
による、
交響曲第3番『スコットランド』です。

スコットランド人のクラシックの作曲家では、まず筆頭に
サー・アレクサンダー・マケンズィー(マッケンジー)
Sir Alexander Mackenzie(1847-1935)
が挙げられます。
私の知る限り、民族的意識を持って作曲した最初のスコットランドの
クラシック音楽の作曲家が彼です。
しかし、私の知る限りでは、彼の民族的な主題の曲を聴いてみても、
メロディ的にはそれほど際立った民族的な特徴が
余り感じられないのが残念。

私の知る限り、スコットランドの民族的要素を顕著に感じる曲を
最初に書いたスコットランドのクラシック作曲家は、
ヘイミッシュ・マッカン
Hamish MacCunn(1868-1916)
です。>
彼については以前詳細に紹介しました。
20歳にも未たずに既に技術作風共に完成されていたという
早熟の天才です。
ルーマニアのジョルジェ・エネスクの様な存在。

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話を本題に移します。
幾つかのスコットランド狂詩曲(Scottish Rhapsody)
の存在を知ったので、その紹介をします。
まず最初は、前述のマッケンジーによるものです。
hyperionというレーベルからマッケンジーの管弦楽曲集が出ていて、
その中に、
スコットランド狂詩曲第2番(Second Scottish Rhapsody)
が収録されております。
作曲年が1881年なので、
かなり早い時期に書かれているのは重要ですが、
個人的な感想を述べさせて貰うと、
メロディがあんまり印象深くありません。
往々にしてスコットランド民謡は、
特徴的で憶え易いようなメロディが多い気がするのですが、
同曲は、あんまりパッとしないメロディでした。

Alexander MacKenzie CDA66764.jpg
hyperion【CDA66764】1995

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ウィリアム・ウォルトン
Sir William Turner Walton(1902-1983)
が、スコットランド狂詩曲を書いています。
陽気で楽しい曲ですが、声楽が編成に組み込まれています。
http://www.youtube.com/watch?v=ShPrbtWiN9A


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ロナルド・ビンジ
Ronald Binge(1910-1979)
のスコットランド狂詩曲は未だ聴いていないのですが、
20世紀の作曲家でありながら
美しいロマンティックな穏健な作風なので、期待出来そうです。

Marco Polo 8.223515.jpg
Marco Polo【8.223515】1987
Binge: British Light Music [Import] [from US] - Amazon, 日本

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クレア・グランドマン(Clare Grundman)?
何故だか知りませんが、
YouYubeでこの曲の演奏が幾つか出ているのですけど、
作曲者の名前が出てないんです。
そんなわけで、
恐らくこれだろうとおもうものをネット上から探し出しました。
クレア・グランドマンの書いた、吹奏楽によるスコットランド狂詩曲です。
私は或る程度なら楽譜が読めるので、
その楽譜を見てみればその曲なのかどうか分かると思います。
吹奏楽曲には、やたらと『〇〇狂詩曲』というのがありますね。
マッケンジーもこういう親しみやすい感じの曲作れば良かったのに・・・。
日本でもお馴染みのメロディが幾つか出てきます!!
ディアレッツォ:楽譜 − オーケストラ - Clare Grundman - A Scottish Rhapsody

http://www.youtube.com/watch?v=KI8e0MdZh7U


《転載終了》

ロナルド・ビンジの「スコットランド狂詩曲」です
https://www.youtube.com/watch?v=J13sieqcsGs
posted by Satos72 | ├ スコットランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

チャールズ・オブライエン(Charles O'Brien)スコットランドの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12189554927.html
2014年8月12日

《転載開始》

Charles O'Brien.jpg


1882年、イーストボーン(Eastbourne)生まれの作曲家、指揮者、オルガニスト。

エディンバラ(Edinburgh)で、
ヘイミッシュ・マッカン(Hamish MacCunn)に師事。

1968年死没。

《資料》
O'BRIEN Orchestral Music v1 - MusicWeb International
Presto Classical - Composer: Charles O'Brien (1882-1968)

チャールズ・オブライエンは、
この記事を書いている2016年8月12日現在、
Wikipedia頁が作成されておらず、また、
YouTubeに音楽も出ていない、まさに無名の作曲家です。

ゆうちんさんのブログのレビューを見てその存在を知り、
2枚の管弦楽作品集、2枚のピアノ曲作品集
がリリースされているのを確認。

取り敢えず、2枚の管弦楽作品集を購入しました。

スコットランドの作曲家と見做されていますが、
生まれはイングランドのイーストボーンです。

エディンバラに移り住んだ事で、
スコットランドの作曲家と見做されている様ですが、
聴いてみれば分かるとおり、
スコットランドの旋律に溢れたロマン派の作風。

「スコットランド民族楽派」と見做して間違いは無いと思いますが、
恐らくは、彼の師事した、
ヘイミッシュ・マッカン(1868 - 1916)
Hamish MacCunn
からの影響は強いと思われます。

Hamish_MacCunn.jpg
ヘイミッシュ・マッカン - Wikipedia

マッカンというのは、スコットランド民族楽派の作曲家で、
19歳で既に、民族色に溢れた交響詩ともいえる、>
演奏会用序曲『山と湖の国』(1886-1887年)
The Land of the Mountain and the Flood, concert overture, Op.3
を書いております。
https://www.youtube.com/watch?v=2-F5dmRV5Bc


17歳で書いた、
序曲『キオル・モル』(1885年)
Cior Mhor, overture
も気になります。

早熟の天才です。

残念ながら、過労のために、
今から丁度100年前に40代で亡くなっています。

マッカンについては、8年も前に記事にしています。
ヘイミッシュ・マッカン(Hamish MacCunn)スコットランドの作曲家
2008年7月14日

大河ドラマ『マッサン』が放映されていた時期、
マッカンの楽曲が同ドラマで流されていた様で、その関係なのか?
私のマッカン紹介記事を訪れる人が度々おりました。





話が大幅にずれてしまいましたが、
今回は、第1集の収録作品について軽く紹介いたします。

演奏会用序曲『エランゴワン』(1909年)
Ellangowan Concert Overture, Op. 12
は、スコットランド情緒に溢れた明快で明るい作品。
スコットランド民族楽派の典型と言っても良い作風ですが、
埋もれていたのが信じられないくらいです。

「エランゴワン」というのは、
ウォルター・スコットの小説『ガイ・マナリング』(Guy Mannering)
に登場する家の名前だそうです。
オブライエン:管弦楽作品全集 1 (リエパーヤ響/マン) - NAXOS

交響曲 へ短調(1922年)
Symphony in F minor, Op. 23
1920年代の作品ですが、作風は19世紀後半的なロマン派の作風。
「エランゴワン」とは違って勇壮かつ憂愁に満ちた渋めの作風。

Charles O'Brien TOCC 0262.jpg

チャールズ・オブライエン 管弦楽作品集第1集
Charles O'Brien: Complete Orchestral Music, Volume One
演奏:リエパーヤ交響楽団(Liepājas Simfoniskais orķestris)
指揮:ポール・マン(Paul Mann)
【TOCC 0262】2015年





話は横路に逸れますが、
マッカンの楽曲の題名に用いられた「Cior Mhor」って何なの?
と思って調べてみました。

読みが「キオル・モル」で合っているのかもよく分かりませんが、
こんな頁を発見↓
CIOR MHOR FROM TOP OF GOATFELL, BRODICK - ARRAN -1940s REAL PHOTO
Cior Mhor.jpg

スコットランド西岸のクライド湾内に、
アラン島(Eilean Arainn, Isle of Arran)が所在しており、
アラン島 (スコットランド) - Wikipedia
その島の中心地、ブロディック(Brodick)近くに所在する山の様です。

上に示した写真は、1940年代に撮影されたものだそうですが、
ゴート・フェル山(Gaoda Bheinn, Goat Fell)
Goat Fell - Wikipedia English
の山頂から撮影されたものだそうです。

つまり「Cior Mhor」は、ゴート・フェル山の付近にあるということ。

そして更に調べを進めてみると、
正確(というか、スコットランド・ゲール語では)な綴りが
「A' Chìr Mhòr」(ア・キール・モール)であるとも判明。
Cìr Mhòr - Wikipedia English
Cìr Mhòr.jpg

「大きな櫛」を意味するらしいです。

つまり「大櫛山」?

こちらもスコットランドにちなんだ作品の様ですので、
是非とも聴いてみたいところです。

ちなみに「Mhòr」が「大きな」を意味するようですが、
スコットランドでは、
山や丘の名前に「-Mhòr」が付けられる事が少なくない様です。

例えば、「Sgairneach Mhòr」(大きながれ)とか。
Sgairneach Mhòr - Wikipedia English

「Creag Mhòr」(大きな岩)とか。
Creag Mhòr - Wikipedia English

というわけで、いつもの様に話が脱線してしまいましたが、
知られざるものを色々と調査するのが好きなので・・・。

そんなわけで、
管弦楽作品第2集はまたの機会にでも取り上げようと思います。

《転載終了》
posted by Satos72 | ├ スコットランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月27日

サー・ジョン・ブラックウッド・マキュアン(Sir John Blackwood McEwen)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11191335590.html
2012年3月24日

《転載開始》

ジョン・ブラックウッド・マキュアン(マキューアン)
John Blackwood McEwen(1868-1948)

John Blackwood McEwen.jpg

ホーウィック(Hawick)生まれ
ロンドン(Rondon)歿

John Blackwood McEwen - Wikipedia, English

【かなり長い前置き】
つい数日前、たまたまの検索で、スコットランドの
ジョン・ブラックウッド・マキュアン(John Blackwood McEwen)
という作曲家の名前を見つけたのですが、
よく調べてみると、実は、彼の代表作である
『ソルウェイ交響曲嬰ハ短調』(Solway Symphony in C sharp minor)
のCDを、1990年代に購入している事を思い出し、
改めてWikipediaなどで調べてみたら、
かなり若い年齢から管弦楽などの大規模な作品を
結構手掛けている事が分かり、もっと注視すれば良かったと、
自らの迂闊さを痛感しました。

大体この頃から、
イギリス諸島系(だけにとどまらないけど)の無名の作曲家のCDが


続々と出てきて、目を見張ったのを憶えています。
例えば、グランヴィル・バントック(Granville Bantock)
フレデリック・ハイメン・カウエン(コーウェン)(Frederic Hymen Cowen)
等々。

私は最初、名前の呼び方が分からず『マックィーン』と読んでいました。
『マクユーエン』『マックイーウェン』等という表記もありますが、
原音に近い発音はどれになるのでしょうか?
(追記:同姓の他人の日本語表記を見てみると、
「マキュアン」という表記が多いので、
恐らくその表記に近い発音なのでしょう。その表記に統一します。)

私は、ソルウェイ交響曲を、2〜3回位しか聴かず、
そのまま放置していました。
和声の色彩感がやや印象派気味だったからかも知れません。
スコットランドの作曲家では、映画音楽的に明快な作風の
ハーミッシュ・マッカン(Hamish MacCunn)
の方をとても気に入っていました。
今は、もう若くない年齢だからなのか?
改めて聴いてみると深みのある旋律、和声が
理解出来るようになって、しみじみと心に染み入り、
お気に入り曲の一つとなりました。
(いずれ取り上げる予定)
因みに、ソルウェイ交響曲は、『交響曲第5番』でもあるらしい。
つまり、それ以前に、4つもの交響曲を書いているという事です。
これらの方も、是非とも聴いてみたい所です。

CDの状況ですが、ソルウェイ交響曲のCDは、現在でも入手可能です。
が、彼のもう一つの代表作と思われる
『3つの境界地方のバラッド』(3つのボーダー・バラッド)
(Three Border Ballads)
のCDは、残念ながら廃盤!!
現在、マーケットプレイス注文中。
(いずれ取り上げる予定)
その他は、弦楽四重奏等の室内楽作品のCDが、意外と多いです。
宗教的な声楽曲のCDも一つ確認しました。

そういえば、マッカンもマキュアンも、生年が同じ1868年なんですね。
(イギリスの作曲家だけど、前述のバントックも1868年生まれ)
その上、極めて若い年齢で管弦楽作品を書いているという
共通点もあります。
マッカンは、20歳にならない年齢で、スコットランド民族主義の手法による
完成度の高い管弦楽作品を書くという早熟ぶりを発揮していますが、
マキュアンの場合はどうでしょうか?
Wikipediaによれば、
交響詩『コマラ』(Symphonic poem ”Comala”)
を、1889年、つまり、21歳になる年齢で書いたと出ていますが、
果たしてどんな曲なのか聴いてみたいところです。
メキシコの“コマラ”の事でしょうか?
因みに、ベルギーの作曲家、ジョゼフ・ジョンゲン(Joseph Jongen)や、
デンマークの作曲家、ニルス・ゲーゼ(Niels Gade)は、
同名のカンタータを書いています。

スコットランド狂詩曲『チャーリー王子』
Scottish Rhapsody ”Prince Charlie”(1915, 1941)
オムニバスではあるんですが、マキュアンの重要と思われる曲が、
他にもCD化されています。
レイチェル・バートン・パイン(Rachel Barton Pine)
というヴァイオリニストの独奏と、
スコットランド室内管弦楽団(Scottish Chamber Orchestra)による、
ヴァイオリンと管弦楽のためのスコットランド民族主義的な作品の
オムニバスCD。

2枚組で、1枚目は、
有名なブルッフの『スコットランド幻想曲』(Schottische Fantasie)と、
サラサーテの『スコットランドの歌』(Airs écossais)
が収録されているのですが、どちらも有名な作曲家という事で割愛します。>
2枚目には、マキュアンの先輩作曲家である
アレグザンダー・マッケンズィー(マッケンジー)(Alexander Mackenzie)
による
ピブロック組曲(Pibroch Suite)が収録されています。
本当は一緒に紹介するつもりでしたが、


文章が長くなってしまったため、日を改めて紹介します。

で、ピブロック組曲の次に出てくるのが、
マキュアンのスコットランド狂詩曲『チャーリー王子』です。
元々は1915年にヴァイオリンとピアノのための作品として書かれたものを、
最晩年の1941年に、ヴァイオリンと管弦楽のための作品に
自ら編曲したのだそうです。
『チャーリーは愛しい人』(Charlie is my darling)などの、
幾つかのスコットランドの伝承曲が用いられていますが、
それらが巧みに紡がれ、
独奏ヴァイオリンも、美しさや技巧性に溢れたメロディなど、
表情豊かで、オーケストレーションも巧みです。
躍動感溢れる民族的旋律もいいですが、
中間部の夢見るような美しいメロディは格別!!
聴いて損は無い隠れた佳曲だと思います!!
特に、「国民楽派フェチ」「狂詩曲フェチ」にはお勧めしたいです!!



【追伸】
マキュアンの『ヴィオラ協奏曲』(Viola Concerto)も、
ヴォーン・ウィリアムズとのカップリングによるCD化がされています。
入手済ですが、未だ聴いていません。
この曲についてもいずれ取り上げる予定。

Scottish Fantazie 2005 CDR 90000 083.jpg

ヴァイオリンと管弦楽のためのスコットランド幻想曲集
Scottish Fantasies for Violin and Orchestra
ヴァイオリン:レイチェル・バートン・パイン(Rachel Barton Pine)
フィドル:アラスダー・フレーザー(アラスデア・フレイザー)(Alasdair Fraser)
指揮:アレグザンダー・プラット(Alexander Platt)
演奏:スコットランド室内管弦楽団(Scottish Chamber Orchestra)
Cedille Records【CDR 90000 083】2005

《転載終了》
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