2016年03月30日

ウィリアム・スミス・ロックストロ(William Smith Rockstro)イギリスの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11188445643.html
2012年3月14日

《転載開始》

ウィリアム・スミス・ロックストロ
William Smith Rockstro(1823-1895)
ノース・チーム(North Cheam)生まれ
ロンドン没
ライプツィヒ音楽院(Konservatorium der Musik zu Leipzig)で学び、
メンデルスゾーン(Jakob Ludwig Felix Mendelssohn Bartholdy)と親交をむすぶ。

Wiliam Smith Rockstro.jpg

これは良い掘り出し物かも?
かなり埋もれ気味の19世紀の作曲家・編曲家で、
ネットに余り情報が出ておらず、
肖像写真もネット上に一つしか見つかりませんでした↓
Samuel Butler and Music: an introduction | St John's College, Cambridge

彼の詳細な履歴はこちら(英語)↓
William Rockstro - Bach Cantatas
Rockstro, William Smith (DNB00) - Wikisource, the free library

Wikisourceには出てきますが、
Wikipediaには出ていないようです(2012/2/13現在)。

「ロックストロ」で検索してみても、フルーティストの方(別人)の
リチャード・シェパード・ロックストロ
(Richard Shepherd Rockstro, 1826-1906)
が出てきます。

Amazonで検索すると、スウェーデンの歌姫、
イェニー・リンド=ゴルトシュミット(Jenny Lind-Goldschmidt)や、
メンデルスゾーン、ヘンデル(Georg Friedrich Händel)
等の伝記を書いているようで、それらが出てきます。

恐らくですが、
「Rockstro」のより原音に近い発音は「ロックストゥロウ」「ロックストロウ」
となるのかも知れませんが、便宜上、「ロックストロ」にしておきます。

私は、たまたまYouTubeでこの作曲家を知りました。
で、取り上げた理由は、
スコットランドの民族主義的要素がとても顕著な上に、
ロマン派の美しい上品さも湛えていて、
とても完成度が高かったからです。
『山際からの声』というピアノの為のサロン用小品なのですが、
問題なのは、この曲がいつ作曲されたのか、分からない事。

作曲された年がいつなのかによっては、
かなり早い時期に書かれた、
スコットランド民族主義の手法による
クラシック曲になるのではないでしょうか?>

私の知る限りでは、
メンデルスゾーンの交響曲第3番『スコットランド』
(Sinfonie Nr. 3 in a-Moll op. 56, “Schottische” 1830-1842)
がかなり早い時期に書かれた作例ですが、
スコットランド出身の作曲家自身による早い作例は、私の知る限りでは、
アレグザンダー(アレクサンダー)・マッケンズィー(マッケンジー)
(Alexander Mackenzie)
による『スコットランド狂詩曲第1番』(First Scotch Rhapsody, 1880)です。

『イギリス音楽の復興』(Wikipedia英語版)によると、
マッケンジーのスコットランド狂詩曲は3曲も書かれているらしい。
それぞれ、1880年、1881年、1911年に作曲されたそうです。
第2番(1881)のみCD化されています。
British folk revival - Wikipedia, English
『アレグザンダー・マッケンジー』(Wikipedia英語版)によると、


「2つのスコットランド狂詩曲は、
アウグスト・マンス(August Manns)によって、
1880年と1881年に初演された。」とあります。
Alexander Mackenzie (composer) - Wikipedia, English

外国人によらない、
ケルト全般に於ける民族主義的なクラシック曲のかなり早い作例は、
私の知る限りでは、アーサー・サリヴァン(Arthur Sullivan)による
『交響曲ホ長調 “アイルランド”』(Symphony in E “Irish”, 1866)です。
CD化済みで、いずれ当ブログでも取り上げる予定。

色々と話が脱線してしまいました。


ロックストロは、メンデルスゾーンと親交を結んでいたとの事なので、
その影響で書かれたという可能性は大きいのでは無いか?と思います。

幻想曲『山際からの声』
Phantasy “Voices from the Hill-side”
演奏:フィリップ・スィアー(Phillip Sear)
http://www.youtube.com/watch?v=mhJd5G26VLU


《転載終了》
posted by Satos72 | ┌ イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月21日

デイム・エセル・メアリー・スマイス(Dame Ethel Mary Smyth)イギリスの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11266709845.html
2012年6月10日

《転載開始》

Ethel Smyth.jpg

デイム・エセル・メアリー・スマイス(1858-1944)
Dame Ethel Mary Smyth

軍人である厳格な父に反発し、ドイツに渡る。
ライプツィヒ音楽院にて、
ザーロモン・ヤーダスゾーンとカール・ライネッケに学んだ後、
ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクに作曲を学ぶ。
1922年には、音楽的な功労により、『デイム』の称号を授与される。
『デイム』とは、男性でいう『ナイト』(Knight)に相当する敬称。

【主な作品】
・交響的セレナードニ長調(1890)
Symphonic Serenade in D Major
・ミサ曲ニ長調(1891)
Mass in D Major
・歌劇『難船略奪民』(1906)
Opera “The Wreckers”
・合唱と管弦楽のための『女たちの行進』(1911)
“The March of the Women” for choir and orchestra
・歌劇『掌帆手』(1914)
Opera “The Boatswain's mate”
・ヴァイオリンとホルンのための二重協奏曲(1928)
Concerto for Violin, Horn and Orchestra
エセル・スマイス - Wikipedia

歌劇『難船略奪民』序曲
Opera “The Wreckers” Overture
http://www.youtube.com/watch?v=maozbZsiK0c


クラシックの女性作曲家には色々います。
取り敢えず今思いつくのだけでも、
イギリスの、
アリス・メアリ・スミス
(Alice Mary Smith)
アメリカの、
エイミー・マースィ・チェニー・ビーチ
(Amy Marcy Cheney Beach)
スウェーデンの、
ヘレナ・マティルダ・ムンクテル
(Helena Mathilda Munktell)
エルフリーダ・アンドレー
(Elfrida Andrée)
フランスの、
ルイーズ・ファラン(ファランク)
(Louise Farrenc)
セスィル・ルイーズ・ステファニー・シャミナード
(Cécile Louise Stéphanie Chaminade)
オギュスタ・マリー・アンヌ・オルメス
(Augusta Mary Anne Holmès)
クロアチアの、
ドーラ・ペヤチェヴィチ
(Dora Pejačević)
ポーランドの、
テクラ・ボンダジェフスカ(バダジェフスカ)=バラノフスカ
(Tekla Bądarzewska-Baranowska)
ドイツの、
クララ・ヨゼフィーネ・シューマン
(Clara Josephine Schumann)
沖縄の、
金井喜久子
等がいます。

その中には、当時の女性に対する差別・偏見と闘った
『闘う女』な人は少なくないですが、
今回紹介する作曲家は、まさにそういう感じの女性だそうです。

フェミニズムの運動家としても活躍したそうですが、
その中でも取り分け戦闘的である女権運動の闘士、つまり、
サフラジェット(Suffragette)だったそうです。
恐らく、フェミニズムの勉強をしている人の間では、
彼女の名前はよく知られているのでしょうね。

今回紹介するオペラ『難船略奪民』を聴いてみると、
まさにそういう雰囲気を感じずにはいられません。
力強い重厚な響きと、怒涛の如き情熱溢れる勇壮な旋律!!
例えば、序曲の冒頭附近の旋律は、
同じ女性作曲家であるエイミー・ビーチの、
交響曲『ゲール風』(Symphony “Gaelic”)
の第一楽章辺りを彷彿とさせます。

また、カミングアウトしてはいませんが、
同性愛者でもあったそうです。
色々と濃い女性ですなあ。
当然の事乍ら、声楽作品には、
フェミニズムやレズビアン・フェミニズムの思想が
盛り込められたものが認められます。

CD化についてですが、『ミサ曲』や『難船略奪民』、
『ヴァイオリンとホルンのための二重協奏曲』等、
代表作は取り敢えず押さえられ、その他、
室内楽作品等も出ていますが、
『難船略奪民』は残念ながら廃盤らしいです。

Wikipedia日本語版では、
ミサ曲が『ニ短調』と出ているのですが(2012年6月10日現在)、
よく調べてみたら、ニ長調の誤りです。
“D”が大文字ですし、検索すると“Major”とは出てきますけど、
“minor”とは出て来ません。

Ethel Smyth Opera The Wreckers CDCF 2501, 2.jpg

エセル・スマイス『難船略奪民』
Ethel Smyth The Wreckers
演奏:BBCフィルハーモニー管弦楽団
BBC Philharmonic Orchestra
合唱:ハダースフィールド合唱協会
Huddersfield Choral Society
指揮:オダリネ(オダリーネ)・デ・ラ・マルティネス
Odaline de la Martinez

【CDCF 2501】

《転載終了》
posted by Satos72 | ┌ イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月14日

アーネスト・ブリストウ・ファーラー(Ernest Bristow Farrar)イギリスの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12128661232.html
2016年2月14日

《転載開始》

Ernest Farrar.jpg

画像はClassic FMより拝借

イギリスの作曲家、ピアニスト、オルガニスト。

1885年7月7日、ロンドンのルイシャム区(Lewisham)に聖職者の息子として生まれる。

リーズ文法学校(Leeds Grammar School)で、オルガンを学ぶ。

1905年、王立音楽学校(Royal College of Music)の奨学金を獲得。
そこで、チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード(Charles Villiers Stanford)
に師事する。

その後、ドレスデン、サウス・シールズ (South Shields)、
ハイ・ハロゲイト・キリスト教会(Christ Church, High Harrogate)
のオルガン奏者のポストを得る。

ハロゲイトでは、指揮者で作曲家、ピアニストの、
ジュリアン・スィーモア・クリフォード(Julian Seymour Clifford)と共に働いた。

1913年、オリーヴ・メイソン(Olive Mason)と結婚。
花婿付添い人は、オルガニストで作曲家、音楽教師の、
アーネスト・ブーロック(Ernest Bullock)が務めた。

第一次世界大戦勃発のため、
1915年、グレナディアガーズ(近衛歩兵連隊)(Grenadier Guards)に参加。
1916年に、連隊に入隊する。

1918年、少尉に就任し、
デヴォンシャー連隊第3大隊(3rd Battalion Devonshire Regiment)
に所属する。

1918年9月18日、西部戦線の、エペイの戦い(Battle of Épehy)において、
ル・カトー=カンブレズィ(Le Cateau-Cambrésis)付近で戦死する。

9月29日、ファーラーのためのレクイエム・ミサが、
ミックルフィールド(Micklefield)で執り行われた。

1919年9月17日、ファーラーを偲ぶ演奏会が、
ジュリアン・クリフォードによって行われた。

【資料】
Ernest Farrar - Wikipedia

【主な作品】(管弦楽) Orchestral Works
・狂詩曲第1番『開けた道』 (1908年) - ホイットマンの文学作品より
Rhapsody No.1 'The Open Road' (Whitman) Op.9
・狂詩曲第2番『ラヴェングロー』 (1913年) - ボロウの文学作品より (現存せず)
Rhapsody No.2 'Lavengro' (Borrow) Op.15
・交響詩『見捨てられた人魚男』 (1914年) - マスィウ・アーノルドの文学作品より
Tone Poem 'The Forsaken Merman' (Matthew Arnold) Op. 20
・古いイギリスの海の歌による変奏曲 ト長調 - ピアノと管弦楽 (1915年)
Variations in G for piano and orchestra on an old British sea-song Op.25
・管弦楽組曲『イギリス田園の印象』(1915年
English Pastoral Impressions, Op. 26 - Suite for orchestra
・お告げの祈り 前奏曲 - 弦楽合奏 (1915年)
Prelude on the Angelus for strings Op.27
・英雄的哀歌(1918年)
Heroic Elegy, Op. 36

【資料】
Ernest Farrar - Toutes les musiques du monde - Accueil

イギリス田園の印象(1915年)
https://www.youtube.com/watch?v=5Jf3LYjkh0Q


見捨てられた人魚男(1914年)
https://www.youtube.com/watch?v=TOmDrLgMxxg


英雄的哀歌(1918年)
https://www.youtube.com/watch?v=ywxOZrz46JU


3つの小品 作品23(1916年出版) - ピアノのための
Three Pieces , Op. 23 - Piano Solo
https://www.youtube.com/watch?v=DZIH39hghE4


20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家ですが、
残念な事に、第一次世界大戦に於いて戦死しております。

なので、活動期間は極めて短いです。

しかしながら、その割には、作品数は少なくないそうです。

YouTubeには、幾つか作品が出ておりますが、
それらを聴いた限りでも、若い年齢で書かれたにしては、
しっかりした管弦楽書法に、繊細さと大胆さを持つ豊かな表現力の上、
後期ロマン派の作風で明快且つ親しみやすく、
中々深い味わいのある作品ばかりです。

イギリス民謡に基づいた作品を幾つか書いているため、
イギリス国民楽派の作曲家という位置づけで
恐らくは間違い無いと思われます。

19世紀末〜20世紀初頭にかけて興った、
イギリス音楽の復興を担った一人と見做せると思います。

また、文学作品(主にイギリス)に基づいた作品も幾つも書いており、
深い教養の持ち主であったのだろうというのが察せます。

それを思えば、不幸な戦争によって命を落としてしまった事が、
非常に残念に思うのです。
(折角、結婚もしたのに・・・)

死の年に書かれた『英雄的哀歌』が、何だか意味深に感じます。
自らの死を予期したのか?

Wikipedia日本語版によれば、
ファーラーの存在は殆ど顧みられておらず、
ジェラルド・ラファエル・フィンジ
Gerald Raphael Finzi (1901-1956)
の恩師として記憶されているに過ぎないそうです。

勿体無いですね。

実は、「CHANDOS」が管弦楽作品集のCDを出しています。

Ernest Farrar CHAN 9586, 2.jpg

アーネスト・ファーラー:管弦楽作品集
Farrar: Orchestral Music
演奏:フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestra
指揮:アラスディア・ミッチェル - Alasdair Mitchell

1:狂詩曲第1番『開けた道』(オープン・ロード)
2:古いイギリスの海の歌による変奏曲
3:見捨てられた人魚男
4:英雄的哀歌(英雄的エレジー)
5:イギリス田園の印象
【CHAN 9586】1997年
Farrar: Orchestral Music - CHAN 9586 - Chandos
ファーラー:管弦楽作品集 - NML ナクソス・ミュージック・ライブラリー

しかし、発売がかなり前という事もあってか、廃盤となっている様で、
Amazon、HMV、TowerRecords、の3大サイトの検索には、
出てきません。

入手は困難と思われます。

ブログで紹介している人がいるのかどうか調べてみた所、
既に昨年、mixiで取り上げている人がいました。(コチラ

もにりくちなしさんかと思ってログインして確認したのですが、
別の方でした。





第一次世界大戦で亡くなった作曲家と言えば、
ジョージ・セイントン・ケイ・バターワース
George Sainton Kaye Butterworth
もおり、この作曲家の作品も好きなのですが、
自分の中では割と知名度があるという思い込みがあるせいか、
今までまともに弊ブログでは取り上げませんでした。
(しかし、余り有名というわけでもない「微妙な」知名度)

ちなみに生年は、ファーラーと同じ1885年、
生まれもロンドンで同じです。
George Butterworth - Wikipedia English





第一次世界大戦で戦死した作曲家が他にいないか調べてみた所、

ルディ・シュテファン(ドイツ)
Rudi Stephan (1887-1915)
ルディ・シュテファン - Wikipedia

スィーソウ(セシル)・フレデリック・コールズ(イギリス)
※「セシル」は「スィーソウ」に聴こえる
Cecil Frederic Coles (1888-1918)
セシル・コールズ - Wikipedia

フレデリック・セプティマス・ケリー(イギリス)
Frederick Septimus Kelly (1881-1916)
Frederick Septimus Kelly - Wikipedia English

等もいました。

リュシアン・ドゥニ・ガブリエル・アルベリク・マニャール(フランス)
Lucien Denis Gabriel Albéric Magnard (1865-1914)
は微妙かも?(従軍してはいないので)

家族は疎開させるものの、自分だけは邸宅を守るとして居残り、
ドイツ軍が侵入した際、銃を持って抵抗し、一人を射殺、
マニャールは逆に家に火を放たれ、焼死してしまう。
アルベリク・マニャール - Wikipedia

「第一次世界大戦に縁のある作曲家の作品を集めた演奏会」が、
戦争勃発100周年である、一昨年(2104年)に行われたそうです。
第一次世界大戦に縁の作曲家たち | クラシカル・ウォッチ

シュテファン、ケリー、バターワース、と来て、
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872-1958)
だそうです(ヴォーン・ウィリアムズは生還)。

ファーラーは、やはり、顧みられていないだけあって、
プログラムには組まれなかった様です。

折角の才能を失わせてしまう戦争は、
絶対起こしてはならないと思いました。





ファーラーの作品の題材として用いられた、
見捨てられた人魚男
The Forsaken Merman
の題名がとても気になったので、調べてみました。
(一体何なのコレ?って思いませんか?)

イギリスの耽美派詩人で文明批評家の、
マスィウ・アーノルド(Matthew Arnold, 1822-1888)>
の作品だそうです。
マシュー・アーノルド - Wikipedia

こちらのサイトにでています↓
Melusina Mermaid: The Forsaken Merman by Matthew Arnold

長詩でしょうか?
韻を踏んでいるので恐らくそうなのでしょう。
(面倒なので、翻訳はしません)

添えられている絵は、ノルウェーの画家、
ペーテル・ニコライ・アルボ(Peter Nicolai Arbo, 1831-1992)


による、
『リーデン・グンヴォルと海男』(Liden Gunvor og Havmanden)
だそうです。

『リーデン・グンヴェル』(Liden Gunver)
という舞台作品が、コペンハーゲンの王立劇場で、>
1780年に上演されたそうですが、
それに基づいているのでしょうか?
≪Liden Gunver≫ - Wikipedia Norsk bokmål





ファーラーの作品の題材として用いられた、
ラヴェングロー
Lavengro
について調べてみました。

作者は、20歳頃からイギリスやヨーロッパを放浪し、
それに基づいて紀行文や小説を書いた作家、
ジョージ・ヘンリー・ボロウ(ボロー)
George Henry Borrow (1803-1881)
だそうです。
George Borrow - Wikipedia English

1851年に出版された「ラヴェングロー」は、
「ロマの集団に加わってイギリスの田舎を放浪した経験を語る小説」
だそうです。
ボロー(ボロー)とは - コトバンク





ファーラーの作品の題材として用いられた、
開けた道(オープン・ロード)
The Open Road
について調べてみました。

アメリカの詩人、随筆家、ジャーナリストである、
ウォルター(ウォルト)・ホイットマン
Walter "Walt" Whitman (1819-1992)
の代表作、詩集『草の葉』(Leaves of Grass)
の中に収録されている作品の一つだそうです。
Song of the Open Road (poem) - Wikipedia English

日本では「オープン・ロードの歌」と訳されています。

内容を日本語訳している方がおられました(コチラ





というわけで、長々と失礼いたしました。





【追記】2016年2月16日
「フレデリック・セプティマス・ケリー」を追加。
「第一次世界大戦に縁のある作曲家の演奏会」情報追加。

【追記2】2016年2月17日
コメント欄より、北坂戸市民さんが、
ファーラー自身やファーラーの作品、
ファーラーの作品に用いられた元ネタ題材についての、
詳細な解説をしています。

資料的価値が高いと思うので、興味のある方はご覧ください。

《転載終了》



本家ブログにコメントをよくくださる、北坂戸市民さんより、
ファーラーに関する詳細な情報を、コメント欄よりいただきました。
資料的価値が高いと判断し、以下に転載いたします。

《転載開始》

3. 無題

そう言えば、昔、亡くなった或る人のブログ(だから、ブログ自体とうに閉鎖されて見れません。)に投稿(少し連載)した事が有りました。

内容は、下記です。(分けます。)

アーネスト・ファーラー
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月 9日(火)08時57分17秒
返信・引用

ジェラルド・フィンジ(1901-1956)は、7歳で父親を亡くした後、音楽の世界に進む13歳迄に2人の兄弟を相次いで亡くしました。音楽学校ではアーネスト・ファーラー(1885-1918)と一緒に学び又師事します。彼らの師達はチャールズ・スタンフォード(1852-1924)とレイフ・ヴォーン=ウィリアムズ(1872-1958)。
その後、フィンジは又一人兄弟とそして兄弟子で有り師でもあったファーラーも亡くします。この事は、彼の作風上、人生上に大きな影響を与えました。
彼はファーラーの思い出に「レクイエム・ダ・カメラ」(1924/未完成)を作曲しました。

ファーラーとはどんな作曲家だったのでしょうか。

代表作は「放浪の歌」(1910)、音詩「孤独の人魚」(1914)、交響組曲「イギリス田園の印象」(1915)、そして1918年夏に戦死した友人の為に作曲した「英雄哀歌」とされています。

皮肉な事に、「英雄哀歌」は彼の最後の管弦楽作品となりました。彼もその年の9月18日に戦死します。9月6日に初めて戦地に向かい、9月9日より前線に立った9日後の事でした。享年33歳。

尚、第一次世界大戦はその年の11月11日に休戦されます。後、2ヶ月持ちこたえていたら。
9月29日には最初の休戦協定が枢軸国の国(ブルガリア)に依って結ばれています。
もう、終戦に向けて世の中が動き始めていた事になります。

北坂戸市民 2016-02-17 07:34:48

4. 無題

実は、その直前はフィンジを取り上げていました。(これも連載)
で、続き。
気儘な道
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月10日(水)09時02分48秒
返信・引用
今朝は冷えましたねえ。もうコートは当然、マフラーも厚手の手袋も必需品。今日はイヤマッフルも欲しかった。
顔が寒いんですよね。頬が冷たい。マスク?。アレは頭が相対的に冷たくなるんですよねえ。帽子?。スーツのビジネスマンに余り似合わないなあ。シルクハット?。う〜〜〜〜〜ん。
野良猫達が点々と丸くなって縮こまっている。木々もかなり色付き、大分葉っぱも落ちていた。
昨晩の車窓風景は、もうあちこちの家にクリスマス様のイルミネーションが浮かんでいた。
アーネスト・ファーラーの作品集を先代から頂いた。
CHANDOSレーベルで狂詩曲第1番「気儘な道」、変奏曲、「孤独な人魚」、「英雄哀歌」、
「英国田園の印象」が入ってた。
ファーラーは短い生涯に、その作品は40に満たない。その中で管弦楽作品は11曲。
その内幾つかは失われているので、この5作品による作品集は彼の管弦楽作品の略全貌と言って良いのでは。
一聴するに所々耳に引っかかるところが有った。数回聴く内になかなかに感動を覚えた。
同じく短い生涯で寡作のミェチスワフ・カルウォヴィチ(1876-1909)以来だ。
この二人はどちらも32〜33歳で亡くなっていて、作風も近代に足を踏み入れた民族的要素を加味した晩期ロマン派的。オーケストレーションも明瞭で清々しい。ナルシスト的なサウンドを感じる。繊細さと大胆さを持っている。なにより器用。旋律性も抜群。よく似ている。

北坂戸市民 2016-02-17 07:38:46

5. 無題

1曲目は「Rhapsody No.1, The Open Road, op.9」。1908年の作。10分程度。
狂詩曲となっているが、内容は序曲や前奏曲的。ABAでなっており、Aはイギリス民俗風。バグパイプの様な音響を響かせながらオーボエで軽妙な旋律が始まる。材料はイギリス風なのだが、管弦楽の処理が北欧風。フューゴ・アルヴェーンやラルス=エリク・ラーションに似ている。色彩豊かに展開した後、Bに入る。変わって落ち着きの有る旋律に。この中間部はピョートル・チャイコフスキーやアレクサンドル・スクリャービンの様な狂おしいサウンドになり絢爛。濃厚な情感たっぷりのロマン派的音楽になる。Aに戻って、フィナーレに。
一聴では、入り込めて無かったのか、まあまあかと思ったが、繰り返し聴いている内に、佳い曲に思えてきた。
同世代の中で、当時最も嘱望されたと有るが、頷ける。
存命時は、数々の賞にも輝き、知られていたらしいが、その死に依って急速に忘れられて行き、今では全くの無名に。
最近の過去に埋もれた作曲家の発掘ブームに載ってジェラルド・フィンジが知られて来た事により、その師との事でファーラーの名前が知られ始めた。再評価は未だこれから。
題名の「The Open Road」は、どう言う意味か調べていたが、何となくこれが一番適してそうと思い「気儘な道」としました。間違っているかな?。
因みに狂詩曲第2番は失われています。
字数制限で切れちゃいました。すいません。
どうも、貰ったCDだったみたいですね。

北坂戸市民 2016-02-17 07:40:59

6. 無題

続きです。

ヴァリエーションズ
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月11日(木)08時31分37秒
返信・引用
ファーラーの作品集、2曲目は「ピアノと管弦楽の為の変奏曲op.25」(1915年)。
この作品は、ファーラーの引き出しの多さを如実に顕している。これは名曲だ。
主題は「或る古いイギリスの海の歌」らしいが、前期古典派風の簡素な旋律。主題の後、6つの変奏がされるのだが、音楽史を俯瞰する様な内容。前期古典派風から、後期古典派、前期ロマン派、後期ロマン派、ロマン派の終焉及び近代音楽への歩みと言った感じ。
始め元気に、次にコケティッシュに、そして勇猛に、そして哀歌。第5変奏が最も長くて、葬送曲風。哀悼を示す様に静かに鐘が鳴る。非常に感動的。うまいなあ〜〜〜。最終第6変奏はフーガ風。一度第5変奏が回想されて、一気に盛り上がり終結。11分半の短い曲ながら、レーガーのモーツァルト変奏曲を聴いた様な素晴らしい感激を覚えた。

北坂戸市民 2016-02-17 07:41:37

7. 無題

続きですが、これも長いので切れそうです。

捨てられた人魚
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月11日(木)09時05分58秒
返信・引用
ファーラの作品集3曲目は、「The Forsaken Merman」op.20(1914年)。
最初「孤独な人魚」と訳すかなと思ったが、話の内容を考えると「捨てられた人魚」かなと思う。
話の内容は、マシュー・アーノルド(1822-1888)の同名の詩。奥さん(マーガレットと言うらしい)に逃げられた人魚(雄!。そりゃそうだわな。雄も居るわなあ。)が子供達に母を乞わせながら(子供もいるのか。尾鰭はあるのか?。)、子供と海にすごすごと帰って行く話。未練たらたら。う〜〜〜〜〜ん、女々しい。判るけどな。奥さんは教会の窓からあらぬ空を眺めている。何を思うのか?。寒いなあ。
アーノルドはヴィクトリア時代の宗教に基づく(いや、教会に基づく)是非交々の葛藤を表現した詩作を行った耽美派詩人。代表作は「ドーヴァー・ビーチ」。日本では殆ど知られていない。
「捨てられた人魚」は、同じイギリスの作曲家アーサー・サマーヴェル(1863-1937)の合唱曲(1895年)の題材にもなっている。全然知られていないし、私も知らない。
低音楽器の唸り声が沸き起こる、そこに金管を主体とした半音階進行が始まる。リストやワグナーの世界。後期ロマン派風の音響でどんどん盛り上がり、スクリャービンやミャスコフスキーの様に煩悶とした憂鬱な世界が拡がる。特にスクリャービンの交響曲第3番「神聖な詩」の影響が強そう。チャイコフスキーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」や「ハムレット」、エルガーの作品やヴォーン=ウィリアムズのロンドン交響曲(第2番)との関連もあるらしい。マーラーも感じるぞ。落ち着くと、後は時には劇昂するが、基本暗鬱な世界が終始続き、27分半掛かるこの大曲は静かに終了する。滅入る。

北坂戸市民 2016-02-17 07:44:36

8. 無題

切れました。

ところで、雌の人魚は美人のイメージが強いが、どうも雄は冴えないらしい。冴えないと言うか、一言醜男。と言うのが定説らしい。どうもユーモラスなイメージが入り込み、曲と違和感が有る。この曲の人魚は例外的に優男なのかな。
しかし、子供を抱えて(足が有るのか、無いのか。)まあ大変。現代にも多い、嫁さんに遊び歩かれている、情けなくも哀しい夫諸氏が思い浮かぶ。ご同輩、元気にされていますか。
私も子だくさんです。4人もいます。いや4匹かな。豚児、豚女。

北坂戸市民 2016-02-17 07:45:23

9. 無題

あと2曲分です。

英雄哀歌
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月12日(金)08時41分1秒
返信・引用

ファーラー作品集、4曲目は「Heroic Elegy, op.36」(1918年)。
(先に!)戦死した戦友の追悼の為に作曲された。8分程度の曲。
軍隊ラッパの哀悼に始まり、終始厳かに奏じられる。感情を押し殺すも、弾けそうになる所も有る。
初演は1918年7月3日。レイフ・ヴォーン=ウィリアムズの田園交響曲(第3番)の演奏会の前座に奏された。指揮は戦地から一時的に帰還したファーラー自身。
この後、戦地に復帰。2ヶ月後本人も戦死する。

ところで、ファーラーは志願して兵隊になったらしい。所属は伝統あるフュージリアー。
フュージリアは17世紀に歴史が遡れる名誉ある称号で、功績を成し得た連隊が名乗れている。
ファーラーの戦死した闘いは西部戦線の一つ、Epehy Today(又はEpehy Ronssoy)の闘い。
エーリッヒ・レマルクの「西部戦線異状なし」を思い出す。

北坂戸市民 2016-02-17 07:46:47

10. 無題

最後です。

英国田園の印象
投稿者:薬屋瓶 投稿日:2010年11月12日(金)08時53分29秒
返信・引用

ファーラー作品集、最後の曲。「English Pastral Impressions, op.26」(1915年)。
ファーラーの死後、暫くは演奏され続けたらしい、比較的知られている曲。
3曲構成で、「春の朝」「ブレダンの丘」「丘を越え、更に向こうに」よりなる。
1曲目は朝の柔らかな陽差しが、2曲目は仄々と穏やかに、それぞれ幾つかの曲から成っている組曲の様な曲。5分、6分程度。3曲目は3分程度で祝祭的で終曲に相応しい。民謡的な旋律だと思うが、何かスピリチュアルぽくもある。

少し思う。ファーラーは生き延びていたら、ミュージカルとかポップス系の音楽の作曲家としても大成出来たのでは。アンドリュー・ロイド=ウェッバーの様に。
それ程、全体的に旋律性豊かで繊細、且つ大胆。そして何よりもオーケストレーションの才能が抜群であるから。
文学的な要素が強いイギリス系の作曲家の中でも群を抜いて強い気がするし、心情の細やかな部分も。希有壮大にも成れる。

震災の直前の秋から冬にかけてで投稿してたんですね。
感慨深いですね。
でも、今、私達の生活は変わってない。(戻っちゃった。)
風化しちゃいました。ダメですね。変われませんね。

北坂戸市民 2016-02-17 07:50:11

《転載終了》
posted by Satos72 | ┌ イギリス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする