2015年12月13日

アイナ・ボイル(Ina Boyle)アイルランドの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11385575289.html
2012年10月30日

《転載開始》

Ina Boyle.jpg


※画像はココから拝借↓
Ina Boyle (1889 – 1967) | ARTlifeCULTURE

1889年、エニスケリー(Enniskerry, Áth na Scairbhe)生まれ。
子供の頃、ヴァイオリンとチェロを習う。

ダブリン(Dublin)で、
チャールズ・ハーバート・キットソン(Charles Herbert Kitson, 1874-1944)と
ジョージ・ヘンリー・フィリップス・ヒューソン(George Henry Phillips Hewson, 1881-1972)
に、対位法や和声法、作曲を学ぶ。

それから、レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)に、
ロンドンで定期的に学び、又、パースィー・バック(Percy Buck, 1871-1947)にも学ぶ。

アイルランドの作曲家、チャールズ・ウッド(Charles Wood, 1866-1926)は、
ボイルの親戚であった。

ボイルは孤独で、作品が滅多に演奏されなかったが、
『魔法のハープ』がカーネギー賞を受賞した上、
『ビオンの哀悼』(Lament for Bion)が、
1948年のロンドンオリンピック音楽部門で佳作を受賞。

1967年、故郷のエニスケリーで没する。
ダブリンのトリニティ・カレッジに、ボイル直筆の楽譜が保存されている。

【主な作品】
・魔法のハープ(管弦楽のための狂詩曲)(1919)
The Magic Harp - orchestral rhapsody
・コリン・クラウト - 牧歌(管弦楽)(1921)
Colin Clout - pastoral for orchestra
・ゲール讃歌(無伴奏合唱曲)(1923-1924)
Gaelic Hymns - unaccompanied choral work
・交響曲第1番『グレンクリー』(1924-1927)
Symphony No. 1, “Glencree”(Gleann Crí)
・幻想曲(ヴァイオリンと室内管弦楽)(1926)
Phantasy for violin and chamber orchestra
・賛美歌(チェロと管弦楽)(1927)
Psalm for cello and orchestra
・交響曲第2番『十字架の夢』(アングロ・サクソンの詩)(1929-1930)
Symphony No. 2, “The Dream of the Rood” after the Anglo-Saxon poem
・ウェルギリウス組曲(小管弦楽のためのバレエ組曲)(1930-1931)
Virgilian Suite, ballet suite for small orchestra
・ヴァイオリン協奏曲(1935)
Concerto for violin and orchestra
・死の舞踏 - 仮面舞踏(ハンス・ホルバインの木版画より)(1935-1936)
The Dance of Death - a masque for dancing after the woodcuts by Hans Holbein
・エルの幻影(無言劇バレエ)(プラトンの『国家』第10巻より)(1938-1939)
The Vision of Er, a mimed drama or ballet based on Plato's Republic, Book X
・野生の雁(小管弦楽のためのスケッチ)(1942)
Wild Geese, sketch for small orchestra
・交響曲第3番『暗闇より』(コントラルトと管弦楽)(1946-1951)
(詩:エディス・スィットウェル)(シットウェル)
Symphony No. 3, From the Darkness for contralto and orchestra
words by Edith Sitwell
・牧歌的歌劇『パップルウィックの感傷』(独唱と室内管弦楽)(1964-1966)
(ベン・ジョンソンの『悲しい羊飼い』に基づく)
Maudlin of Papplewick, pastoral opera for solo voices with chamber orchestra
based on 'The sad shepherd' of Ben Jonson

※Wikipedia英語版に基づいて作成。
Ina Boyle - Wikipedia, English

●その他の資料
Ina Boyle (1889-1967) - michaeljamiesonbristow.com
Contemporary Music Centre, Ireland: Composers - Ina Boyle

最近、YouTubeに上げられているのを
たまたま発見する事で初めて知る作曲家が多いです。
今回紹介する女性作曲家、アイナ・ボイルもその一人です。

それとは別に、
個人的に「これは」と思うCDも最近色々と出ているので、
そちらの紹介もしたい所ですが、
CD化されてすらいなさそうな超が付く無名作曲家
の紹介を優先したいために、中々出来ないでいます。
まあ、そろそろそのCDの紹介もしたい所ですが。

地元アイルランドに因んだ楽曲だけではなく、
イングランドの詩人エドマンド・スペンサー(Edmund Spenser)の
『コリン・クラウト 故郷に還る』(Colin Clouts Come home againe)や、
同じく、イングランドの劇作家で詩人の
ベン・ジョンソンによる『悲しい羊飼い』、
古代ギリシャの詩等に基づく作品も書いています。

アイナ・ボイルの『ビオンの哀悼』が、
1948年のロンドンオリンピックに出品されたと知って驚きました。
実は、以前のオリンピックには、芸術部門があったそうなのです!!
知りませんでした。
というか、以前何かで見たけど忘れたのどちらかです。
芸術競技 - Wikipedia

下のアドレス先には、「惜しくも銅メダルを逃した」云々と出ています。
An Olympic Lament | The Journal of Music

また、『ビオンの哀悼』がどういうものなのか?
ネット上に日本語による解説が見当たりません。
日本語で誰もネット上で述べていないようです。
仕方がないので自分で或る程度調べてみた所、
古代ギリシャの詩のようです。
下のアドレス先では、英語により絵付きで解説しているようです。
Turfing | Earthrites | Wherever you are is the entry point – Kabir

英語の本が出ております。
『ギリシャの田園詩人:テオクリトス、ビオン、モスコス』
(ローブ古典文庫第28集)
Greek Bucolic Poets: Theocritus. Bion. Moschus
(Loeb Classical Library No. 28)
Greek Bucolic Poets: Theocritus. Bion. Moschus - Amazon

『ビオン』という詩人について、
『スミュルナのビオン』という題でWikipediaの頁が作成されていましたが、>
日本語のはありません(2012.10.30日現在)。
ギリシャ文字による表記は『Βίων』あるいは『Βίωνος』(ビオノス)。
紀元前325〜255年に
スミュルナ(スミュルニ)(Σμύρνη)に実在した田園詩人だそうで。
Bion of Smyrna - Wikipedia, English

ビオンにはもう一人、
哲学者の『ボリュステネスのビオン』がいますが、
別人です!!
こちらの方は、Wikipedia日本語版が作成されています
(無関係なのでリンクはしません)。



魔法のハープ(1919年)
http://www.youtube.com/watch?v=BL5sWxsENKY


単一楽章の『ハープ協奏曲』の様な感じなのかな?と思いきや、
それほどハープが突出しているというわけではありません。

ボイルは、生年からして20世紀からの活躍ですが、
前衛に走るという事は無く、
アイルランド民族主義的後期ロマン派に、
僅かに印象派的な要素が含まれている感じで、
民謡的要素と幻想的な雰囲気が美しい。
ハープの技巧性の高さも勿論聴き応えありです!!

初期作品ながらも、代表作の一つでもあるのかも知れません。
無名であるため、何が代表作なのか不明な所はありますが。

ヴァイオリン協奏曲(1935年)
http://www.youtube.com/watch?v=zKRAta9V22w


20分弱の、比較的短い単一楽章の曲。
これは「ヴァイオリンと管弦楽のための幻想的」とでも呼んだ方が
良いのではないかと思う幻想的雰囲気に満ちています。
単一楽章だからというのも理由の一つとしてあります。

往々にしてヴァイオリン協奏曲というのは、>
有名作曲家が書いたものでも、
退屈さを感じるものが少なくないと私は思っています。
特に、緩徐楽章はそういうのが多い。
掴み所の無い、憶えにくいメロディだと、尚更です。

しかしこの曲は、前半の緩徐的な部分のメロディは、
掴み所の無い様な幻想的メロディではありますけど、
中々魅力的なメロディなので、退屈しません。
11分台(中間)辺りからテンポが速くなり、
やや明快さが出てきますが、
最後の辺りは大人しめになり消え入る様に終ります。

中間部の速いテンポのメロディには、
特に民俗音楽的要素を感じました。
紛れも無く、アイルランド国民楽派の
ヴァイオリン協奏曲ではないかと思います。
アイルランドのヴァイオリン協奏曲と言えば、他にも、
ハミルトン・ハーティ(Hamilton Harty)のヴァイオリン協奏曲もありますね。

全体的にボヤッとした印象ではあるのですが(中間部の一部を除き)、
構成のバランスの悪さは特に感じず、メロディも魅力的に思ったので、
退屈さは感じませんでした。

前半が緩徐的なので、
バランスが悪そうには見えるんですけど、
意外と違和感は感じませんでした。
素晴らしい作曲の才能を持ちながらも無名なのが勿体無い。



●CD化状況
画像検索ではCDの画像が殆ど全く出てこないので、
それまで殆どまともに出ていなかった様なのですが、
『魔法のハープ』がオムニバス収録されたCDが、
つい最近出たようです。

Dan Godfrey Encores Dutton CDLX7276.jpg
ダン・ゴドフリー・アンコール集(Dan Godfrey Encores)
演奏:ボーンマス交響楽団(Bournemouth Symphony Orchestra)
指揮:ロナルド・コープ(Ronald Corp)
【Dutton CDLX7276】
Dan Godfrey Encores - TOWER RECORDS
Dan Godfrey Encores - HMV
Dan Godfrey Encores - Amazon
アイナ・ボイルのみならず、その他にも、
無名の作曲家の作品が色々と収録されていて、
非常に興味深いです!!
というか、全て、日本では一般的に知られていない作曲家です。
・フェルディナン・エロルド(Louis Joseph Ferdinand Hérold)
・バイロン・ブルック(Byron Brooke)
・パースィー・ウィットロック(Percy Whitlock)
・セスィル(セシル)・ホワイト(Cecile White)>
・エセル・メアリ・スマイス(Ethel Mary Smyth)
・ハワード・フリン(Howard Flynn)
・ランドン・ロナルド(Sir Landon Ronald)
・セスィル(セシル)・アームストロング・ギブズ(Cecil Armstrong Gibbs)
・モンターギュ・バーチ(Montague Birch)
・アイナ・ボイル『魔法のハープ』
・ルートヴィヒ・プライアー(Ludwig Pleier)
・ラトランド・ボウトン(Rutland Boughton)

YouTubeに上げられている『ヴァイオリン協奏曲』も、
CD化されているのかどうかは不明です。
アイナ・ボイルの作品で特に気になっているのは、
3曲も書かれた交響曲の存在です。
是非とも聴いてみたいところです!!
NAXOS辺りが出してくれないかな?

それから、彼女は生涯独身だったのでしょうか?
美人なのに・・・。
フィンランドのイケメン作曲家、ヘイノ・カスキのようです。

《転載終了》
posted by Satos72 | ├ アイルランド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする