2015年10月25日

アンドレス・ガオス・ベレア(Andrés Gaos Berea)ガリシアの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11296706502.html
2013年2月9日

《転載開始》

Andrés Gaos Berera.jpg


画像はココから拝借↓
http://filarmonicacoruna.net/index.php?id=21

1874年、ア・コルーニャ(A Coruña)生まれの、作曲家、ヴァイオリニスト。
1885-1888年、マドリード音楽院
(Real Conservatorio Superior de Música de Madrid)で、
ヘスス・デ・モナステリオ(Jesús de Monasterio)にヴァイオリンを学ぶ。
その後、パリ音楽院(Conservatoire de Paris)で、ヴァイオリニストの
ジャン・バティスト・シャルル・ダンクラ(Jean Baptiste Charles Dancla)に学び、
王立ブリュッセル音楽院(Koninklijk Conservatorium Brussel)で、
ヴァイオリンをウジェーヌ・イザイ(Eugène Ysaÿe)に、
作曲をフランソワ=オーギュスト=ヘファールト(François-Auguste Gevaert)
に学ぶ。
1891年、フランス、ベルギー、ポルトガル、スペインで、演奏旅行を行う。
1894年、メキシコへ赴く。
1895年、ブエノス・アイレス音楽院(Conservatorio de Música de Buenos Aires)
で教鞭を執る。
教え子の一人に、セレスティノ・ピアジオ(Celestino Piaggio)がいる。
1896年、モンテビデオで、ヴァイオリニストで歌手の
アメリカ・モンテネグロ(América Montenegro)と結婚。
同地のリラ音楽院(Conservatorio La Lira)で教鞭を執る。
1959年、アルゼンチンのマル・デル・プラタ(Mar del Plata)で死去。

※Wikipediaドイツ語版、フランス語版、CD解説書などを参照
Andrés Gaos - Wikipedia Deutsch

CDのレビューがまた続きます。
今回は、スペインはガリシア地方出身の作曲家、
アンドレス・ガオスの管弦楽作品集を取り上げます。

この作曲家の存在を知ったのは
『辺境・周縁のクラシック音楽T イベリア・ベネルクス編』(青弓社)
なのですが、今回紹介する曲の幾つかも同書取り上げられています。
しかし、今回紹介するCDは取り上げられていません。

というのも、同書の出版が2010年であるのに対し、
同CDも2010年発売らしいのです。
その上、このCDに限った事ではありませんが、
海外のCDは、日本では遅れて発売されるのです。
Tower RecordsとAmazonによると、日本での発売は2011年らしいです。

同書で取り上げられた管弦楽作品集は、
『ARTE NOVA CLASSICS』
というレーベルの入手困難と思われるアルバムですが、
今回紹介するCDとは、取り上げている曲や指揮者、演奏する管弦楽団が
ほぼ同一ですけど、内容が完全に同じというわけではありません。
今回紹介するCDに収録されている曲の内、
交響曲第1番と交響詩『グラナダ、アルハンブラの黄昏』が収録されておらず、
CDは1枚です。
コメント欄より、同書の著者、もにりくちなしさんから教えていただきました。
有難うございます。

とにかく、ガオスという、
魅力溢れる作品を書きながらもマイナーである作曲家のCDが、
日本の大手の販売サイトで手に入ると偶々の検索で知った時は、
とても驚きました。

因みに、『Amazon』と『TOWER RECORDS』で手に入ります。
Amazonでは「Andres Gaos」ではヒットせず、
「Berera」か「Integral obra sinfonica」でないと出てきません。

Andrés Gaos Berera 1CM0264.JPG


アンドレス・ガオス管弦楽作品全集
INTEGRAL OBRA SINFÓNICA
指揮:ビクトル・パブロ・ペレス(Víctor Pablo Pérez)
ヴァイオリン:マッスィモ(マッシモ)・スパダーノ(Massimo Spadano)
演奏:ガリシア交響楽団(Orquestra Sinfónica de Galicia)
Columna Música【1CM0264】2010年
CDタイトルに「Integral」と出ているという事は、
ガオスの管弦楽作品は、恐らくこれで全てという事なのでしょう。
紙ジャケットにCD二枚組です。



交響曲第1番(1896-1903)全3楽章
Sinfonía no 1
全3楽章ながら、全体で約40分なので、一つ一つが濃い。
ドイツ・ロマン派の影響が強く、国民楽派的要素は殆ど感じませんが、
叙情性に富んだ旋律が中々魅力的に思いました。
第1楽章(Allegro moderato e ritmico)
は、シューマンやブラームスを彷彿とさせる保守的な旋律と、
チャイコフスキーやドヴォジャーク(ドヴォルザーク)を彷彿とさせる
叙情性に溢れた旋律が交互に現われます。
悲愴感漂う旋律や牧歌的なほのぼのした旋律が出てくる等、情感豊かな上、
旋律そのものが大変魅力的で、メロディメーカーだなあと思いました。
ノルウェーの作曲家、アイヴィン・アルネスの交響曲第1番を思い出しました。
第2楽章(Andante)
は緩徐楽章です。
牧歌的で瞑想的ですが、感情の高まる感傷的旋律も現われます。
第3楽章(Allegro moderato)
ドイツ・ロマン派風の保守的な作風です。
しかし、只の亜流には留まらず、叙情性に溢れた旋律も出てきます。
第1楽章に似ているかも知れませんが、第1楽章の旋律が再び現われます。



交響曲第2番『ガリシアの山々より』(1917-1919)全3楽章
Sinfonía no 2 “Nas Montañas de Galicia”
ガオスの故郷であるガリシアの旋律の旋律に溢れた、
ガオスの代表作の一つに数えてしかるべき作品ではないかと思います。
『辺境・周縁・・・』によれば、3楽章それぞれに表題が付いているそうですが、
見落としているのかも知れませんけど、ライナーノートには見当たりません。>
第1楽章(Andante mosso)
には『村祭り』の表題が添えられているそうです(参照:辺境・周縁・・・)。
ゆったりほのぼのした素朴感漂う舞曲風というか行進曲風旋律が、
様々に形を変えて行きます。
2012年7月28日の
スペイン各地域の狂詩曲(ガリシア狂詩曲・バレンシア狂詩曲・バスク狂詩曲)
という記事で紹介した、ショアン・モンテス・カポン(Xoán Montes Capón)
の『ガリシア狂詩曲』(Rapsodia galega para orquesta)にも似ています。
それを、大幅にパワーアップさせた様な感じでしょうか。
有名な曲で言えば、チャイコフスキーの『中国の踊り』(くるみ割り人形)とか、
イッポリトフ=イヴァーノフの『酋長の行進』(コーカサスの風景第1番)
等に雰囲気が少し似ているでしょうか。
第2楽章(Andante)
瞑想的旋律が最初に出てきますが、この透き通る様な美しさは格別!!
暫くすると躍動感溢れる舞曲風旋律が出てきて、徐々に盛り上がって行き、
頂点に到達した後、再び最初の旋律が戻ってきます。
『辺境・周縁・・・』によると、『ケルトの歌』の表題が付いているそうです。
第3楽章(Allegro moderato)
最終楽章に相応しく、堂々として、表情が生き生きと大胆さに溢れています。
『田舎の踊り』の表題が付き、ガリシアの民俗舞曲『ムイネイラ』(Muiñeira)
が用いられているとは、『辺境・周縁・・・』情報から。
https://www.youtube.com/watch?v=5asryjE-TvE


『CD1』はここまで。

『ムイネイラ』(ムイニェイラ)がYouTubeに出ているので、参考までに↓
http://www.youtube.com/watch?v=f21nIJCYy1s
http://www.youtube.com/watch?v=0yE7Qfvv7CI
バグパイプを用いたスコットランドの民俗音楽に、かなり似ていると感じました。
同じケルト系ですから当たり前ですが。
Día da Muiñeira 2005 - Brincadeira Grupo de Música e Baile Tradicional
Muiñeira - Wikipedia Galego

実は、最も初期に、
『ヴァイオリンとピアノの為のムイニェイラ』(1891)
Muiñeira para violín e piano
という作品を書いているらしい
(Wikipedia独語版、仏語版、伊語版に出ていました)。



交響詩『グラナダ、アルハンブラの黄昏』(1916)
Poema sinfónico “Granada, un crepúsculo na Alhambra”
『CD2』の冒頭を飾るのは、『交響曲第2番』と共に、
ガオスの代表作の一つに数えるべきではないかと思われる作品。
印象派からの影響と思われる神秘的な色彩や、
かつてイスラム世界に組み入れられていただけあるためか、
中東風の異国情緒も感じられます。
大きく盛り上がる所はカスタネットが用いられる、
ホタ・アラゴネーサと思われる典型的なスペイン風旋律。
熟達した管弦楽技法によりスペイン情緒がふんだんに盛り込まれている、


まさに“幻想曲”と呼ぶに相応しい、『スペイン序曲』や『スペイン奇想曲』、
『スペイン交響曲』等のスペインを題材にしたクラシック音楽が好きな方には、
大変お薦めしたい曲です!!
20分程もあります。
http://www.youtube.com/watch?v=j3YzyMbTXq8




ヴァイオリンと管弦楽のための幻想曲(1896-1903)
Fantasía para violín e orquestra, op.24
サン=サーンスを彷彿とさせ、適度に技巧性もあり、
ロマンティシズム溢れる旋律も魅力的。



弦楽の為の交響詩『夜の印象』(1937)
Poema sinfónico para arcos “Impresión Nocturna”
題名通り、弦楽の為の夜想曲といった感じです。



古風な組曲(1898)全3楽章
Suite á antiga
3つの楽章それぞれに、
『サラバンド』(Sarabande)
『フゲッタ』(Fughetta)
『幻想曲』(Fantasía)
と表題が付いています。
グリーグやスヴェンセンなどの北欧の弦楽合奏作品を彷彿とさせます。
(皆その様に聴こえてしまうだけのかも?)



※欧文表記は、一応『ガリシア語』にしているつもりです。
例えば「管弦楽団」は、
スペイン語(カスティーリャ語)では「Orquesta」(オルケスタ)ですけど、
ガリシア語では「Orquestra」(オルケストゥラ)となるようです。
接続詞も、「y」ではなく「e」となるようです。



【追記】
コメント欄から、もにりくちなしさんより、
ARTE NOVA盤とColumna Música盤の内容は違うとのご指摘を受けました。
ARTE NOVA盤の音源をそのままColumna Música盤に使用したのかは不明ですが、
ARTE NOVA盤には、交響曲第1番と交響詩『グラナダ、アルハンブラの黄昏』
は収録されていないそうです。
後者は2枚組CDですが、前者はCD1枚だそうです。
有難うございます!!
本文を修正しました。

《転載終了》

交響曲第2番『ガリシアの山々より』の動画が削除されてしまったので、
別の動画を貼り付けました。
posted by Satos72 | ├ ガリシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする