2016年02月03日

超マイナークラシック曲情報(4)ギリシャ編

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11283900280.html
2012年7月4日

《転載開始》

ギリシャの作曲家と言えばまず、現代音楽家の
ニコス・スカルコッタス(Nίκος Σκαλκώτας, 1904-1949)
や、ルーマニア生まれの
ヤニス・クセナキス(Ιάννης Ξενάκης, 1922-2001)
辺りが有名だろうと思います。
ギリシャ国民楽派の確立者として、
マノリス・カロミリス(Μανώλης Καλομοίρης, 1883-1962)
もよく知られています(NAXOSから管弦楽作品集が出ていますね)。
ギリシャ国歌『自由への賛歌』(Ύμνος εις την Ελευθερίαν, 1828)
を作曲した、
ニコラオス・マンザロス(Νικόλαος Μάντζαρος, 1795-1872)
も有名の内に入るでしょう。
でも、せいぜいそれぐらいですかね。
(追記:ミキス・テオドラキス(Μίκης Θεοδωράκης)を忘れていました。)

しかし、一般のクラシック音楽ファンで上記の作曲家を知っている人は、
一体どれくらいいるのか?甚だ疑問でもあります。
恐らく、ベートーヴェンとかモーツァルト、
ブラームス等といった有名所しか知らない人は、
上記の作曲家を悉く知らないと思います。
“有名”というよりは、“ギリシャの作曲家の中では最も知られている方”
と言った方が良いでしょう。

そこで取り敢えず、ロマン派真っ只中の19世紀に活躍した、
一般的に無名ではないか?
と判断したギリシャの作曲家について調べてみました。

超マイナークラシック曲情報(3)ポルトガル編では、
まともに聴けるのが殆どありませんでしたが、
今回紹介する作曲家は、
5人中4人はYouTubeでその曲を聴く事が出来ます。

<生年順>



コンスタンティノス・アガトフロン・ニコロプロス(1786-1841)
Κωνσταντίνος Αγαθόφρων Νικολόπουλος
Konstantinos Agathophron Nikolopoulos

Κωνσταντίνος Αγαθόφρων Νικολόπουλος.jpg

画像はココから拝借↓
Δημόσια Κεντρική Βιβλιοθήκη Βέροιας(リンク切れ)

スミルナ(Σμύρνη)生まれ。
パリで育つ。
彼の作品の幾つかは、古代ギリシャ語のテクストに基づいていた。
1841年、パリ歿。
Κωνσταντίνος Νικολόπουλος (συγγραφέας) - Wikipedia, Ελληνικά

オリュンピア祝勝歌第2歌(詞:ピンダロス)
Δεύτερος ὀλυμπιόνικος(Πινδαρος)
http://www.youtube.com/watch?v=z19u3QYrMyM
荘厳さと威厳さ、躍動感に溢れた曲。




スピリドン・クスィンダス(クシンダス)(1812-1896)
Σπυρίδων Ξύνδας
Spyridon Xyndas

Σπυρίδων Ξύνδας.jpg

画像はWikipediaより拝借

ケルキラ(Κέρκυρα)生まれ。
ニコラオス・マンザロスに学ぶ。
歌劇『議員候補者』(Όπερα “Ο υποψήφιος Βουλευτης” 1867)
は、ギリシャ語による初のオペラである。
アテネ(Αθήνα)歿。>
Σπυρίδων Ξύνδας - Wikipedia, Ελληνικά

ネットで色々調べてはみたのですが、
ギリシャ語初オペラの作曲者にしては、
不遇な扱いを受けている気がします。
CDを見つけられないのです。

歌劇『議員候補者』(1867)より、終結部(吹奏楽アレンジ版?)
Όπερα “Ο υποψήφιος Βουλευτης”,Επιλογή
http://www.youtube.com/watch?v=fg0kD0XLaHg

様々な表情を見せ、中々深みのある、
無名にしておくのは勿体無いメロディの数々。
特に、11:30を過ぎた辺りの、イングリッシュホルンと思われる楽器による
跳躍的な舞曲風メロディなど、
民族主義的な要素を感じる印象的なメロディが随所に現われます。



パヴロス・カレル(1829-1896)
Παύλος Καρρέρ
Pavlos Carrer

Pavlos Carrer.jpg

画像はWikipediaより拝借

ザキントス島(Ζάκυνθος)生まれ。
1850年代、ミラノのカルカーノ劇場(Teatro Carcano)や
カノッビアーナ劇場(Teatro alla Canobbiana)で、
彼の初期のオペラやバレエが上演された。
1857年、ザキントス島に戻る。
彼の最後の歌劇
『マラトン - サラミス』(Όπερα “Μαραθών-Σαλαμίς” 1886-1888)
の初演は、2003年である。
ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi)
等のイタリア音楽からの影響を受けながらも、
ギリシャの伝統音楽やポピュラー音楽の要素を取り入れ、
ギリシャ語のテクストによる声楽曲も書いた。
ザキントス島(Ζάκυνθος)歿。
Παύλος Καρρέρ - Wikipedia, Ελληνικά

Wikipediaを信じるならば、
ギリシャ国民楽派をかなり早い時期に体現した作曲家といえます。

歌劇『デスポ』(Δέσπω, 1875)
がCD化されているようです。
Despo, Pavlos Carrer - CD / DVD / Books - Xilouris.gr

円舞曲『パルテノン神殿』(1851)
Παρθενών, βαλς
http://www.youtube.com/watch?v=kEROzEE-IPY


余り“パルテノン”という印象は受けません。
どちらかというとヨハン・シュトラウス2世という感じです。
書かれたのが若い頃なのでしょうがないとは思いますが、
メロディは中々凝っていて聴き応えあり。



スピリドン・フィリスコス・サマラス(1861-1917)
Σπυρίδων Φιλίσκος Σαμάρας
Spyridon Filiskos Samaras

Σπυρίδων Φιλίσκος Σαμάρας.jpg

画像はWikipediaより拝借

ケルキラ(Κέρκυρα)生まれ。
アテネ音楽院(Ωδείο Αθηνών)で学んだ後、パリ音楽院で学ぶ。
その後、イタリアへ渡り、オペラの作曲家として活躍する。
『オリンピック賛歌』(Ολυμπιακός Ύμνος, 1896)
の作曲者として知られる。
アテネ(Αθήνα)歿。
Σπυρίδων Σαμάρας - Wikipedia, Ελληνικά

オリンピック賛歌の作曲者だったとは知りませんでした。
(今調べて分かりました)
という事は、そんなに無名ではない?
でも、殆どこの曲だけしか知られていない様な・・・。
イタリアでオペラの作曲家として活躍していたとの事なので、
イタリア語風に『スピロ・サマラ』(Spiro Samara)という名前の方が、
馴染みがあるかも知れません。

歌劇『殉教』(1894)より、間奏曲(吹奏楽アレンジ版?)
Όπερα “Η Μάρτυς”, Ιντερμέδιο
http://www.youtube.com/watch?v=ykJTy-reXi4


YouTubeには、
「ルーマニア風間奏曲」(Intermezzo Romaniesca)と出ています。
ルーマニアの民族的要素に溢れた、躍動感みなぎるメロディ!!
とても印象深いと思うので、
余り知られていないのは勿体無いと思います。



ディミトリオス・リアリオス(1869-1940)
Δημήτριος Λιάλιος, Dimitrios Lialios
パトラ(Πάτρα)生まれ
王立バイエルン音楽院(現:ミュンヘン音楽・演劇大学)
Königliche Bayerische Musikschule
(Hochschule für Musik und Theater München)
で、ルートヴィヒ・トゥイレ(Ludwig Thuille)に学ぶ。
管弦楽曲、室内楽曲、歌劇、宗教曲など、数多く作曲。
アテネに歿する。
Δημήτριος Λιάλιος - Wikipedia, Ελληνικά

この作曲家は
『辺境・周縁のクラシック音楽2 中・東欧編』(青弓社)
で知りました。
恐らく、マノリス・カロミリス以前の、
本格的なギリシャの作曲家と言えそうです。
管弦楽作品がCD化されていますが、
Amazon、HMV、TOWER RECORDS等で取り扱われていないようで、
手に入れるのは容易ではないと思います
(下に示した画像)。
また、YouTubeにもリアリオスの曲が出ていない様です。

Δημήτριος Λιάλιος LYRA 0721.jpg

ディミトリオス・リアリオス 真夜中の夢-南国にて
演奏:パザルジク交響楽団(Симфоничен Оркестър Пазарджик)
指揮:バイロン・フィデツィス(Byron Fidetzis)
【LYRA 0721】



【追伸】
こちらでは、ギリシャの作曲家のCDを沢山取り揃えています↓
Classical Greek Composers - Studio 52



※ギリシャ語の日本語表記について。
「Δ」の発音は、現代ギリシャ語では、
英語の「th」の有声音に近くなるそうですが、
便宜上分かりやすくするため、
敢えて「ザ」行ではなく「ダ」行で表記しました。
「θ」の発音も、「t」の発音として日本語表記しました。



【追記】2012年7月7日
・コメント欄にて、もにりくちなしさんより、
パヴロス・カレルとスピロ・サマラは
『辺境・周縁のクラシック音楽2』で紹介済みとのコメント。
情報量が膨大なため、全てを把握していなく、うっかり見落としていました。
その他にも同書には、
ディオニスィオス(ディオニシオス)・ロドテアトス
Διονύσιος Ροδοθεάτος, Dionisios Rodotheatos (1849-1892)
ラヴレンディオス・カミリエリス
Λαυρέντιος Καμηλιέρης, Lavrendios Kamilieris(1874?,1878?-1956)
ゲオルギオス・アクスィオティス(アクシオティス)
Γεώργιος Αξιώτης, Georgios Axiotis(1875?,1876?-1924)
ゲオルギオス・ランベレット
Γεώργιος Λαμπελέτ, Georgios Lambelet(1875-1945)
など、気になる作曲家が沢山紹介されていて、ワクワクしました。
19世紀、或いは19世紀から活躍した作曲家だけでもこんなにいます。
20世紀も含めれば、もっといるわけです。
ギリシャのクラシック音楽、奥が深いです!!



【追記】2016年2月10日
リンク切れURLに(リンク切れ)と表示。
URL貼り付けのみだった動画を埋め込む。

《転載終了》
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2015年06月15日

ナポレオン・ランベレット(Ναπολέων Λαμπελέτ)ギリシャ→イギリスの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12031248489.html
2015年6月8日

《転載開始》
Ναπολέων Λαμπελέτ.jpg


ラテン文字表記:Napoleon Lambelet

画像はhellenicaworld.comさんから拝借

1864年、ケルキラ(Κέρκυρα)にて、スイス起源の音楽一家に生まれる。

祖父、エフティヒオス・ランベレット(Ευτύχιος Λαμπελέτ, Evtychios Lambelet)は、
ケルキラ島にて、歌手マリア・マリブラン(Maria Malibran)のピアノ伴奏を担当していた。

父、エドゥアルドス・ランベレット(1820-1903)
(Εδουάρδος Λαμπελέτ, Edouardos Lambelet)
は、作曲家、ニコラオス・ハリキオプロス・マンヅァロス(マンザロス)(1795-1872)
(Νικόλαος Χαλικιόπουλος Μάντζαρος, Nikolaos Halikiopoulos Mantzaros)
の弟子だった。

弟の、ゲオルギオス・ランベレット(1875-1945)
(Γεώργιος Λαμπελέτ, Georgios Lambelet)
も、作曲家。



ナポレオン・ランベレットは、母からピアノの手ほどきを受け、
父からは、音楽理論と和声法を学んだ。

1878年、奨学金を得て、
サン・ピエトロ・ア・マイエッラ音楽院(Conservatorio di musica San Pietro a Majella)
(ナポリ音楽院)に入学。

同年、同音楽院に入学した、
ディオニスィオス・ラヴランガス(1860-1941)
(Διονύσιος Λαυράγκας)
と親交を結ぶ。

1885年、イタリアから帰国後、アテネに定住し、
アテネ音楽院(Ωδείο Αθηνών)で声楽の教授職を2年間務めた。

声楽、ピアノ、器楽のレッスンのための音楽学校(Μουσική Σχολή)を設立。

25人の合唱団と、音楽劇団を設立。
そのメンバーには、
ヨアンニス・アポストル(1860-1905)
(Ιωάννης Αποστόλου, Ioannis Apostolou)
もいた。

スピリドン・クスィンダス(クシンダス)(1812-1896)
(Σπυρίδων Ξύνδας)
のオペラ『候補者』(Ο υποψήφιος, 1867)のアテネ初演を指揮する。

1893年、アレクサンドリアに招待されて赴く。

1894-1896年、アヴェロフィア音楽アカデミー(Αβερώφεια Μουσική Ακαδημία)
の楽団を率いて演奏活動を行った。
(※「Αβερώφεια」に意味があるのか?あるとしたらどんな意味なのか?
分からないので、「アヴェロフィア」としました)

1895年より、欧州中を指揮者として活躍し、
ロンドンのウェスト・エンド(West End)の歌劇場の、
オペラ、オペレッタの作曲家の1人となった。

1932年、ロンドンに没する。

《主な作品》
・スーダンのセレナーデ(管弦楽)
Σουδανέζικη σερενάτα
・戦争讃歌
Θούριον
・音楽喜劇『金星の日面通過』(1898)


The Transit of Venus, Musical Comedy
・音楽喜劇『ポプリ』(1899)
Pot-Pourri, Musical Comedy
・浪漫的喜歌劇『ヴァレンタイン』(1918)
Valentine, Romantic Comedy Opera

《資料》
Napoleon Lambelet - Wikipedia Deutsch

道化師コロンビーヌのセレナード
Serenade d' Arlequin à Colombine
編曲:スピロス・マヴロプロス(Σπύρος Μαυρόπουλος)

https://www.youtube.com/watch?v=eakq3VjUrtY


YouTubeに出ている曲を色々と聴いてみると、
個人的には中々魅力的だなと思う旋律の作品が多かったです。

ただ、聴いた限りでは、
民族主義的な要素は余り感じられませんでした。

《主な作品》で紹介した「スーダンのセレナーデ」は、
もしかしたら民族的要素に溢れているかも、と、
期待はしているのですが。

以前コチラ↓で軽く名前を出した程度の、
超マイナークラシック曲情報(4)ギリシャ編
ゲオルギオス・ランベレット(1875-1945)
Γεώργιος Λαμπελέτ, Georgios Lambelet
とはまた別の作曲家ですが、調べてみた所、兄弟だそうです。

Youtubeに出ていた「道化師コロンビーヌのセレナード」は、
吹奏楽に編曲したものの様ですが、
原曲はどういったものなのか知りません。





↓こちらの作品も、吹奏楽への編曲なのでしょうか?
愛し続けたい
Je veux toujours d' aimer
https://www.youtube.com/watch?v=P_Awnv7z5DI






他には、歌曲が幾つか出ていました。

見知らぬ人
Άγνωστος
テノール:ザホス・テルザキス(Ζάχος Τερζάκης)>
ピアノ:アポストロス・パリオス(Απόστολος Παληός)

https://www.youtube.com/watch?v=bUwFdfnMbrk






アルヴァニティッサ(トスクの女)
Αρβανίτισσα
歌:マルサ・アラピ(Μάρθα Αράπη)
ピアノ:ディミトリス・ヤカス(Δημήτρης Γιάκας)
https://www.youtube.com/watch?v=uWXuwx5yhqk


「アルヴァニティッサ」(Αρβανίτισσα)というのは、
後述する「アルヴァニテス」(Αρβανίτες)と殆ど同意と思われますが、
一体どう違うのでしょうか?

↓こちらのサイトによると、ギリシャ語の接尾辞「-ισσα」を、
ラテン語が「-issa」として借用し、仏語の「-esse」となり、
英語の「-ess」となったのだとか。
#2221. vixen の女性語尾
300.Miss

「男性名詞から対応する女性名詞を作るときの接尾辞」
だそうです。

また英語では、
身分や職業等を表わす単語の語尾に「-ess」を付加する事によって、
それが女性である事も表わします。

例えば・・・、
「host」(ホスト=主人) → 「hostess」(ホステス=女主人)
「prince」(プリンス=王子) → 「princess」(プリンセス=王女)

「アルヴァニテス」というのは、
ギリシャ語で「トスク人の子孫」を意味するそうです。
(つまり、ギリシャに住んでいるトスク人という事?)

「トスク人」というのは、「トスク方言を話すアルバニア人」
の事を指すそうです。

まあ、名前の響きが「アルバニア」に似ているなとは思っていましたが。

トスク人 - トスク方言 - Wikipedia

つまり、「Αρβανίτισσα」というのは、
「トスク人女性」という意味でしょうかね?





ナポレオン・ランベレットは音楽一家の家系だそうですが、
祖父エフティヒオスは、フランスの歌姫マリア・マリブランの、
ケルキラ島滞在時のピアノ伴奏者だったそうです。

マリブランは、28歳で夭折したそうですが、
Wikipediaを見てみたところ、非常に興味深い生き様で、
何度か映画化されているそうです。

これは映画化されて当然だろうな、とは思いました。


Maria Malibran.jpg


マリア・マリブラン
(仏: Maria Malibran、1808年3月24日 - 1836年9月23日)
は、フランス生まれの声楽家。

19世紀でもっとも有名なオペラ歌手の一人であり、メゾソプラノで、
コントラルトとソプラノの両方の声域を用いて歌うことが多かった。

マリアはその強烈な個性とドラマティックな生き様でも非常に有名で、
28歳という若さでで夭折したこともあり伝説的な人物となった。

マリアの声は、声域、力強さ、しなやかさにおいて
高く評価されていたという当時の記録が残っている。

マリアは1836年7月に落馬事故で回復不能な重傷を負ったが[1]、
医師の診察を拒み舞台に立ち続けた。

落馬事故から数ヵ月後にマリアは死去し、
ベルギーのラーケン墓地 (en:Laeken Cemetery) に埋葬された。

マリア・マリブラン - Wikipedia



Wikipediaの全体の極一部しか引用していませんが、
他にも興味深い記述が色々出ています。

ドラマの主人公の様な生き様をリアルに行ったという感じです。

因みに、幾つか制作された映画の一つ、
『ラ・マリブラン』(La Malibran, 1944年)の映像の一つが
YouTubeに出ていたので、ここに貼ります。
https://www.youtube.com/watch?v=288u-gTn7kk


監督は、サシャ・ギトリ(Sacha Guitry)、
マリブランを演じているのは、ジェオリ・ブエ(Géori Boué)。





●CD化について
ニコラオス・マンザロスと、
パヴロス・カレル(Παύλος Καρρέρ, 1829-1896)
とのオムニバス収録で、
「メヌエット」(Menuet)「ガヴォット」(Gavotte)を収録。

Επτανησιακή μουσική.jpg


エプタニシア派(イオニア派)の音楽
Επτανησιακή μουσική
Music of the Ionian School
演奏:ニコラオス・マンザロス室内楽団
Συγκρότημα μουσικής δωματίου "Νικόλαος Μάντζαρος"
http://xilouris.gr/catalog/product_info.php?products_id=907
http://www.greek-music.net/greek/composers/thom7.htm
http://www.studio52.gr/info_gr.asp?infoID=000009t2

因みに、マンザロスは、
シンフォニア第1番『東方の様式で』
(Συμφωνία αρ.1 "Di genere Orientale")
シンフォニア第2番
(Συμφωνία αρ.2)
シンフォニア第4番『嵐と狩猟』
(Συμφωνία αρ.4 "La tempesta e la Caccia")
シンフォニア第5番
(Συμφωνία αρ.5)
シンフォニア第6番
(Συμφωνία αρ.6)
収録

ONTOMO MOOK『交響曲読本』(音楽之友社)
によると、マンザロスは「シンフォニア」を数十曲作曲したそうです。

1曲の演奏時間はそれほど長い訳ではなく、
「交響曲」というよりは、「序曲」といった面持ちの様で、
「交響曲読本」でも、「シンフォニア」という表現で紹介されていました。



なので、弊ブログでも「交響曲」ではなく、
「シンフォニア」という表現を使いました。
シンフォニア第5番(マンドリン編曲版)
編曲:ヴィクトル・キウラフィデス(Βίκτωρ Κιουλαφίδης)
演奏:アッティカ撥弦楽団(Ορχήστρα Νυκτών Εγχόρδων Αττικα)
https://www.youtube.com/watch?v=BK1D6SQNyOE


パヴロス・カレルの方は、


うわさ話
(La pettegola)
アルバニア人
(L' Albanese)
美しいアルメン
(Les belles Armenes)
美しいアルメン:ミリツァ
(Les belles Armenes: Militza)
フリア
(Furia)
収録
※「Armenes」は、
意味も発音も分からないので適当に「アルメン」としました。
間違っているかも知れません。





ついでに、ナポレオン・ランベレットの弟の、
ゲオルギオス・ランベレットの作品もご紹介します。

この作曲家は、
『辺境・周縁のクラシック音楽2』(青弓社)
の164頁でも紹介されていて、
幾つかの楽曲がCD化されているそうです。
(詳細は、同書参照)

辺境周辺のクラシック音楽U.jpg


饗宴
Ἡ Γιορτὴ
https://www.youtube.com/watch?v=-k0uI3zi2T0


太陽の歌
Το τραγούδι του ήλιου
https://www.youtube.com/watch?v=2GUedLdir7o


兄であるナポレオンよりも後の世代であるためか?
ナポレオンよりは、民族主義的なロマン派の響きを強く感じます。





記事が長くなり過ぎるので、
ナポレオンの弟のゲオルギオスの詳細については、
また別の機会に、という事にしましょう。





《追記》
コメント欄より、もにりくちなしさんから、情報提供がありました。

ナポレオン・ランベレットの作品は、
『19世紀から20世紀のギリシャの作曲家の作品集』
(Έργα Ελλήνων Συνθετών 19ου και 20ου αιώνα)
(略称:ギリシャ箱)に、
「アルヴァニティッサ」(Αρβανίτισσα)

「失恋」(Xωρισμόs)
が収録されているそうです。

Αντίς για Όνειρο.jpg

《転載終了》
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2015年05月17日

ディミトリオス・レヴィディス(Δημήτριος Λεβίδης)ギリシャの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11821067636.html
2014年5月15日

《転載開始》
Δημήτριος Λεβίδης.jpg


ラテン文字表記:Dimitrios Levidis

画像はここから拝借

1886(1885?)年4月8日、アテネ(Ἀθῆναι)現:アスィナ(Αθήνα)生まれ。
ビザンチン帝国の貴族の血筋を引いている。

アテネ音楽院(Ωδείο Αθηνών)にて、
ディオニスィオス(ディオニシオス)・ラヴランガス(Διονύσιος Λαυράγκας)、
フランク・ショワズィ(ショワジー)(Frank Choizy)らに学ぶ。

続いて、スイスのローザンヌ(Lausanne)にて、
アレクサンドル・ドゥネレアーズ(Alexandre Denéréaz)に師事。
(※この発音で正しいのかどうか不明ですが、取り敢えずこう出しておきます。)

そして最後に、ミュンヘンで、リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss)、
フェリックス・モットル(Felix Mottl)、フリードリヒ・クローゼ(Friedrich Klose)らに学んだ。

1908年、『ロマンティック・ピアノ・ソナタ 作品16』
が、フランツ・リスト賞受賞。

1910〜1932年、パリに定住。

第一次世界大戦時、フランス軍兵士として従軍。

1929年、フランス国籍を取得。

1932年、ギリシャに戻り、『ギリシャ音楽院』(Ελληνικό Ωδείο)の教師となる。

1934年、『ファリロ音楽院』(Φαληρικό Ωδείο)を設立。
(※現:国立パレオ・ファリロ音楽院(Εθνικό Ωδείο Παλαιού Φαλήρου)の事か?)

1945(1946?)〜1947年、ギリシャ作曲家協会の会長を務める。
1947〜1948年、パリに住む。

1951年5月30日(29日?)、パレオ・ファリロ(Παλαιό Φάληρο)に没する。

【主な管弦楽・オーケストラ曲】
・喜遊曲(ディヴェルティメント)(1911)
Divertissement pour orchestre, op.25
・叙情的即興曲 - ヴァイオリンと管弦楽
Impromptu-lyrique, pour violon et orchestre, op. 32
(※「pour violon de concert et orchestre」と出ていたが、よく分からないので上記に修正)
・異教徒の歌 - オーボエと弦楽合奏(1921)
Chant païen, pour solo-hautbois et orchestre à cordes, op. 37
・交響的詩節(交響的スタンザ)(1927)
Stances symphoniques, op. 49
・独奏オンド・ミュジカルと管弦楽のための交響詩(1928)
Poème symphonique pour solo d'ondes musicales et orchestre, op. 43 A
・吹奏楽曲『ピンドスの若者たち』(1941)
Τα Παλληκάρια της Πίνδου, pour grande harmonie militaire, op. 59
・憲兵のための子守唄 - 管弦楽のためのブルレスク(1949)
Berceuse pour un gendarme, burlesque pour orchestre, op.65
・交響詩『宇宙の中の地球』
La Terre dans l'espace, poème symphonique pour orchestre

【バレエ音楽】
・羊飼いとニンフ(1924)
Pâtre et nymphe, ballet

【主なピアノ曲】
・前奏曲イ短調(1898)
Prèlude en la mineur pour piano, op. 2
・ゴール風(1904)
(※「好色譚」の意味合いがあるという指摘がありますが)
Gauloiserie pour piano, op. 10
・ロマンティック・ピアノ・ソナタ(1908)
Ρομαντική Σονάτα για πιάνο, σε φα ελάσσονα, έργο 16
Erste Griechische Romantische Sonate for piano, op. 16

【主な声楽曲】
・大管弦楽と声楽のための交響詩『ジロカストラへの帰郷』(1941)
Ο Γυρισμός στο Αργυρόκαστρο, Συμφωνικό Ποίημα για τραγούδι και μεγάλη ορχήστρα, έργο 61
・古風なオラトリオ『イーリアス』 - 叙唱、独唱、合唱、管弦楽(1942-1943)
L’ Iliade, oratorio antique pour recitants, soli, chœurs et orchestre, op.62
・民俗的音画『レベーンティスとカーロス』 - ソプラノ、テノール、語り、管弦楽(1944)
Ο Λεβέντης και ο Χάρος, Λαϊκή Μουσική Εικόνα
για μια υψίφωνο, έναν οξύφωνο, έναν αφηγητή και ορχήστρα, έργο 64

【資料】
http://www.iliatora.gr/news_details.php?id=6297
http://www.ascsa.edu.gr/index.php/archives/dimitry-levidis-papers
http://de.wikipedia.org/wiki/Dimitrios_Levidis
http://en.wikipedia.org/wiki/Dimitrios_Levidis
http://es.wikipedia.org/wiki/Dimitrios_Levidis

歌曲『敬意』(Homage)
歌:マルサ・アラピ(Μάρθα Αράπη)
ピアノ:ディミトリス・ヤカス(Δημήτρης Γιάκας)
http://www.youtube.com/watch?v=KhU_FryhOMg


Twitterで繋がっている方の情報で知った、
かな〜りマイナーなギリシャの作曲家をご紹介します。

辛うじて、YouTubeにレヴィディスの歌曲が出ていますが、
やや印象派がかったロマン派的という感じで親しみやすい。

Wikipediaドイツ語版には、作風は後期ロマン派から印象派の範囲内にあり、
無調や新古典主義等を拒絶しているとあります。

古代ギリシャ様式の音楽、異国情緒ある音楽を書いたそうで、
だとすれば、『ギリシャ国民楽派』の範疇に入るのではないかと思います。

後述する『独奏オンド・ミュジカルと管弦楽のための交響詩』など、
題名からして興味深い作品を色々と書いているので、
これらの作品がいずれ聴ければ良いなあと思っております。



◎『オンド・ミュジカル』とは?
フランス人電気技師、モーリス・マルトノ(Maurice Martenot, 1898-1980)によって、
1928年に発明された電子楽器『オンド・マルトノ』(Ondes Martenot)のこと。

最初、『オンド・ミュジカル』(Ondes musicales=音楽電波)
という名前で発表されたそうですが、
後に同様の仕組みの電子楽器が多数現れたため、
「オンド・マルトノ」と呼ばれる事になったとのこと。

オンド・マルトノの音が、YouTubeにでております↓
http://www.youtube.com/watch?v=JLJbqK-SjXo


オンド・マルトノ(Wikipedia)

後述する『テルミン』と同様、複数の音を同時には出せず、
単音ずつの発音しかできないそうです。

詳細は、Wikipediaをご覧いただきたいと思いますが、
オンド・マルトノには、第8世代まであるそうです。

第1世代は、1918年に作られたそうですが、ロシアの科学者、
レフ・テルミン(Лев Сергеевич Термен)によって発明された、
世界初の電子楽器と言われる、
『テルミン』(Терменвокс, チルミンヴォークス)
を真似て作られただけだそうで、実質は発明していないのと同様ですね。

テルミン(Wikipedia)

しかし、ここで疑問が!!

Wikipedia日本語版によると、
オンド・マルトノ第1世代の製造は1918年だそうですけど、
その元になったテルミンの発明は1919年なので、
その辺りの整合性はどうなっているのでしょう?

テルミンはそう簡単に出来上がったとは思えないので、
未だ完成していない状態のテルミンを見て製造したのでしょうか?

でも、ソビエトの研究室をマルトノが覗けられたとは思えない。
単に年数の誤謬の可能性が考えられます。
所々に、年数の食い違いがありますし。
(Wikipediaの『レフ・テルミン』日本語頁では、
テルミンの発明年が1920年と出ています)

まあ、1920年頃に作られたと説明しておけば多分問題無いと思いますが、
きっちり製作年が知りたい場合は、保留にしておくのが無難かと。
(Wikipedia情報は鵜呑みにしない方が良いという意見もよく見ますし)

因みに、テルミンの音はこんな感じです↓
http://www.youtube.com/watch?v=HwfmlEF_6Mg


昭和40年代頃の、刑事ドラマ、サスペンスドラマ、特撮ドラマ、時代劇、
アニメなどの、不穏な空気が漂っている場面のBGMで、
不安げなこういう音がよく流れていたと記憶しています。

『テルミン』のWikipedia日本語頁に、
「菊池俊輔は「仮面ライダー」などのTV番組の楽曲にテルミンを使用している。」
と出ていて「確かに、そういうのによく出てきたよな」と思いました。

現在、オンド・マルトノの完成形と見做されているのは、
第5世代以降のものだそうですが、実質的に完成された一番最初のものは、
第2世代と呼ばれるもので、1928年製造だそうです。

ここでやっと、レヴィディスが出てきます。

レヴィディスの、恐らくは代表作の一つと思われる、
『独奏オンド・ミュジカルと管弦楽のための交響詩』
は、オンド・マルトノ(オンド・ミュジカル)が完成された1928年に、
早くも作曲されており、オンド・マルトノのために書かれた最初の曲だそうです。

初演は、1928年4月20日、パリのオペラ座で、
ルネ=エマニュエル・バトン(René-Emmanuel Baton)の指揮、
モーリス・マルトノのオンド・ミュジカル演奏によって行われたそうです。

しかし、肝心のその曲は、YouTubeに出ておらず、
CD化もされていないので、聴きたくても聴けない状況にあります。



◎『スタンザ』とは?
【主な管弦楽・オーケストラ曲】で紹介した「スタンザ」とは?

>長い詩を構成する一区切りの単位。
>イタリア語で「部屋」を意味する stanza がその語源。
>日本語では節(せつ)、詩節(しせつ)、連・聯(れん)などともいう。
スタンザ(Wikipedia)

フランス語では「スタンス」(Stance)と呼ぶ様です。



◎『レベーンティスとカーロス』とは?
【主な声楽曲】で紹介した『レベーンティスとカーロス』とは何なのか?
調べたいとは思ったのですが、ちょっと疲れました。

ギリシャ語なんですけど、紹介している頁を見つけたので、
とりあえずその頁へのリンクを貼る事で、お茶を濁します。
http://dimitris-a-skourtelis.blogspot.jp/

そこの画像を見てみると、
『創世記』32章に出てくる「ヤコブと神との格闘」を彷彿としますが、
同一のものなのかどうかは不明。

まあ、リンク先のギリシャ語を翻訳すれば内容が分かると思いますが、
暇な時にでも内容を調べられたら、と思います。
(一体いつになるのか分かりませんが)



※ギリシャ語の日本語表記について
「Δ」(デルタ)の発音についてですが、
古典ギリシャ語では「D」の発音をしていたらしいですけど、
現代ギリシャ語では、英語の「th」の有声音やアイスランド語の「Ð」に近く、
「ズ」に近い発音となっています。

なので、本来は「ズィミトゥリオス・レヴィズィス」に近いのかも知れません。

が、便宜上、煩わしさ回避のため「D」として日本語表記しました。

また「Β」(ベータ)の発音は、
古典ギリシャ語では「B」の発音をしていたらしいですけど、
現代ギリシャ語では、「V」の発音をしております。

なので、現代のものは日本語で「ヴァ」行表記にしていますが、
古代のものは「バ」行表記にしています。



【追記】CD化について
コメント欄より、もにりくちなしさんからCD化の情報!!

実は、『ディヴェルティメント Op.25』(作品欄で「喜遊曲」と紹介した曲)
がCD化されているそうです。

『辺境・周縁のクラシック音楽2』(青弓社)の119頁にて、
箱入りの豪華な解説書付きの12枚組CD『19世紀から20世紀のギリシャ音楽』
が紹介されていて、その中に収録されているそうですが、
残念な事に、同書でレヴィディスは紹介されていません。

CD集の正式名称は、
『夢のためのアディス / 19世紀から20世紀のギリシャの作曲家の作品集 12CD』
(Αντίς για Όνειρο / Έργα Ελλήνων Συνθετών 19ου και 20ου αιώνα, 12. CD)
みたいですね。

そこでふと「Αντίς」(アディス)とは何ぞや?と思いましたが、調べてみた所、
アムハラ語で「新しい」(አዲስ)を意味する言葉だそうで、因みに、
エチオピアの首都「アディスアベバ」は「新しい花」を意味するそうです。
アディスアベバ(Wikipedia)

つまり「夢のための新た」という意味でしょうか?
この解釈で正しいのかどうか自信は無いので、
素直に「アディス」と出しておきます。

さて、『ディヴェルティメント Op.25』についてですが、

「聴いた感じでは東方的な異国情緒をからませた,
ギリシア版「シェエラザード」のような作品」

との事で、大変興味深い作品ではあります。

このCDを手に入れるのは容易ではないのだろうか?と思いましたが、
取り扱っているサイトを発見いたしました↓
http://www.studio52.gr/info_gr.asp?infoID=00000s8p

2014年5月21日の時点で、109,95 €となります。

《転載終了》



「Αντίς για Όνειρο / Έργα Ελλήνων Συνθετών 19ου και 20ου αιώνα, 12. CD」
の画像はコチラです↓
Αντίς για Όνειρο.jpg
posted by Satos72 | └ ギリシャ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする