2017年01月15日

CD化を希望するマイナークラシック曲(7)セルビア編

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10426985736.html
2010年1月4日

《転載開始》

以前、バルカン地方のクラシック音楽について紹介した事がありますが、
今回はその続編という感じでしょうか。
いつもの様に受け売りなんですが、いってみましょう。



20世紀セルビアの作曲家
マルコ・タイチェヴィッチ(1900-1984)
Марко Тајчевић
Marko Tajčević
Марко Тајчевић.jpg
Марко Тајчевић-Друга балканска игра - МУЗИКА - WordPress.com
という人がいまして、その人の書いた
『7つのバルカン舞曲』(1927)
Sedam balkanskih igara
を以前紹介したわけですが、
そのセルビアクラシック音楽の重要な創始者の1人が
ステヴァン・ストヤノヴィッチ・モクラーニャッツ(1856-1914)
Стеван Стојановић Мокрањац
Stevan Stojanović Mokranjac
Стеван Стојановић Мокрањац.jpg
Стеван Стојановић Мокрањац - Wikipedia Српски / srpski
という人だそうで、
民族音楽の収集や研究、教育者、聖歌の作曲家として活躍。
ステヴァン・ストヤノヴィチ・モクラーニャツ - Wikipedia, 日本語



実は、それに先立ち、
ヨジェフ・シュレズィンゲル(1794-1870)
Јожеф Шлезингер
Jožef Šlezinger
が、「セルビアに来て、王子楽隊を創設し、
楽隊が演奏する民俗音楽を土台とした音楽を作曲した」そうです。
実質彼が、セルビア民族楽派の祖?
Jožef_Šlezinger.jpg
Јожеф Шлезингер - Wikipedia, Српски / srpski



セルビア語による初の合唱曲を作曲したのは、
コルネリイェ・スタンコヴィッチ(1831-1865)
Корнелије Станковић
Kornelije Stanković
だそうです。
Kornelije Stankovic - St. Luke's Orthodox Mission
Kornelije_Stanković_2009_Serbian_stamp.jpg
Kornelije Stanković - Wikipedia, English



タイチェヴィッチと同様、20世紀の活躍になりますが、
平均的なセルビア民族楽派の作風を示した重要な作曲家として、
ステヴァン・フリスティッチ(1885-1958)
Стеван Христић
Stevan Hristić
がいます。
旋律と和声の両面で、
セルビアの民俗音楽と後期ロマン派と印象派音楽を
融合させた作風だそうです。
個人的には、こういう作風が好きです。
チェコ民族楽派で言うところの
ドヴォルジャークみたいな立ち位置でしょうね。
オペラ、バレエ音楽、管弦楽曲、器楽曲など、
あらゆる分野に作品を残しているそうです。
ステヴァン・フリスティッチ - Wikipedia, 日本語
Stevan_Hristić_2009_Serbian_stamp.jpg
Стеван Христић - Wikipedia Српски / srpski
実は、無名の作曲家の曲をよく取り扱っているcpoというレーベルが、
フリスティッチの
バレー音楽『オフリドの伝説』(1947)
Балет”Охридска легенда”
Balet ”Ohridska legenda”
のCDを出していたんですけど、
現在は廃盤になっているので残念です。
【cpo 999 582-2】



その他、
イスィドル・バイッチ(1878-1915)
Исидор Бајић
Isidor Bajić
は、
オペラ『センベリヤのイヴォ王子』(1911)
Опера ”Кнез Иво од Семберије”
Opera”Knez Iva od Semberije”
などを書きました。
Исидор Бајић-1910.jpg
Isidor Bajić - Wikipedia, English



スタニスラヴ・ビニチュキ(1872-1942)
Станислав Бинички
Stanislav Binički
は、
愛国歌『ドリーナ行進曲』
Марш на Дрину
Marš na Drinu

オペラ『夜明けにて』(1914)
Опера ”На уранку”
Opera”Na Uranku”
等を書きました。
Stanislav_Binički.jpg
Stanislav Binički - Wikipedia, English



ヨスィフ・マリンコヴィッチ(1851-1931)
Јосиф Маринковић
Josif Marinković
は、声楽曲を作曲したそうです。
Josif_Marinković_2009_Serbian_stamp.jpg
Josif Marinković Wikipedia, English
Јосиф Маринковић - Wikipedia, Српски
ロシアのレーベルから
『聖金口イオアン聖体礼儀』のCD
が出ているようですが、Amazonでは取り扱っていないようです。
http://www.pgp-rts.co.yu/katalog/izdanja/430824.html
http://www.yu4you.com/items/en/cd/item_47.html



このように色々と紹介してまいりましたが、
やはりCD化は余りされていないようです。
まあ、民族の坩堝として不安定要素がありますから、
あんまり文化の振興に力を入れる余裕が無いのかも知れません。
旧ユーゴでも、
スロヴェニアやクロアチアの辺りは安定していて平和みたいで、
それなりに文化振興や観光にも力が入っているようですが。
それはともかく、バルカン地方のより文化の振興発展を、
遠い東の果ての国より応援しています!!



【追記】
セムベリヤ → センベリヤ

フリスティッチ紹介記事に『Mystery Of The East』
というCDの販売サイトを、
バイッチ紹介記事に『Mystik des Ostens, Vol. 2』
というCDの販売サイトを、
それぞれリンクしていましたが、改めて調べてみると、
これらのCDに、それぞれフリスティッチやバイッチの曲が
収録されているのか不明であるため、リンクを取り外しました。
ここにお詫び申し上げます。

ヨスィプ・シュレズィンゲル(Josip Šlezinger)
↓ 
ヨジェフ・シュレズィンゲル(Jožef Šlezinger)
「ヨスィプ」という表記は、
Wikipediaの「セルビアの音楽」の頁に「ヨシプ」と出ていたので、
それを参考にさせていただきましたが、
正確には「Jožef」「Josif」らしい上に、
英語のWikipedia頁「Josip Šlezinger」も消えていました。
なので、リンクも「Јожеф Шлезингер」の頁に変更しました。

【追記】2017/1/17
肖像画像8枚追加。

「モクラーニャッツ」の日本語版Wikipediaでは、
「シュテファン・モクラーニャッツ」
と出ていますが(最終更新:2016年3月2日 (水) 06:53)、
セルビア語(クロアチア語)は表記通りに発音するので、>
何故そのカタカナ表記なのかは謎。

《転載終了》
タグ:セルビア
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2017年01月08日

ステヴァン・フリスティッチ(Стеван Христић)を聴く(YouTubeから)

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-10429081967.html
2010年1月7日

《転載開始》

Стеван Христић.jpg
Стеван Христић - Wikipedia Српски / srpski

セルビア民族楽派の重要な作曲家、
ステヴァン・フリスティッチ
Стеван Христић, Stevan Hristić, 1885-1958
の代表作の一つと思われる
バレー音楽『オフリドの伝説』
Балет”Охридска легенда”, Balet “Ohridska legenda” 1947
の一部がYouTubeに上がっていたので、早速ブログに貼りました。

序奏の朝靄を髣髴とさせる緩徐的描写が、
うっとりする感じで癒されますが、すると突然、
せわしく力強く土臭い雰囲気の舞曲風メロディが現われます。
ハチャトゥリアンの『剣の舞』に雰囲気が近いです。
ロシア国民楽派っぽいメロディでもありますが、
まあ同じスラヴ系ですし。

以前紹介した
ヤコヴ・ゴトヴァツ(Jakov Gotovac)
交響的コロ(Simfonijsko kolo, op. 12, 1926)
にも似ています。
ルーマニアの『ホラ』(Hola)にも似ている気がします。
バルカン地方の民俗的メロディは、
大体皆似通ったものがある気がしますが、
違う民族同士でそれなりに影響を受け合っているのでしょうか。
かつて、オスマン帝国に支配されていた関係なのか?
何となく中東風の雰囲気も感じます。
バルカン地方の民族楽器グスレ(Gusle)奏者の奏でるメロディなんか、
もろそんな感じですし。

それはともかく、ハチャトゥリアンのファンの方は、
フリスティッチにも注目した方が良いと思います。

でも、以前cpoからCDが出ていたんですけど、
現在は廃盤となっている事は、既に述べました。
廃盤になるのが早すぎると思ったんですけど、
人気が無いというよりは、只単に知られていないだけだと思います。

cpo 999 582-2.jpg
Stevan Hristic: The Legend of Ohrid; Josip Slavenski: Balkanophonia [Import] [from US](Amazon, 日本語)
【cpo 999 582-2】

バレエ音楽『オフリドの伝説』
Балет”Охридска легенда”, Balet “Ohridska legenda” 1947
より、雉鳩のコロ
Коло Грлица, Kolo Grlica
http://www.youtube.com/watch?v=xX69LVk9Zak


【追記】2017/1/13
画像2枚追加

《転載終了》
タグ:セルビア
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2015年11月18日

イスィドル・バイッチ(Исидор Бајић, Isidor Bajić)セルビアの作曲家

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-11415057548.html
2012年11月29日

《転載開始》

Исидор Бајић, Isidor Bajić-1910.jpg


1878年、クーラ(Кула, Kula)生まれ

ブダペストで、ハンス・フォン・ケスラー(Hans von Koessler)に学ぶ。

ノヴィ・サド(Нови Сад, Novi Sad)に音楽学校を設立し、
音楽雑誌を出版した。

1915年、ノヴィ・サドに没する。

【主な作品】
・歌劇『センベリヤのイヴォ王子』(1911)
Опера“ Кнез Иво од Семберије”, Opera “Knez Ivo od Semberije”
・交響曲『ミロシュ・オビリッチ』(現存せず, Which was lost)
Симфонија “Милош Обилић”, Simfonija “Miloš Obilić”
・序曲『メーナ』
Увертира “Мена”, Uvertira “Mena”
・セルビア狂詩曲(ピアノ)
Српска рапсодија, Srpska rapsodija

その他、ピアノ伴奏歌曲、合唱曲、クロアチア民族楽器タンブリツァ(Tamburica)
の為の曲などを作曲。

※Wikipedia英語版を基に構成。
Isidor Bajić(Wikipedia, English)

セルビア国民楽派の作曲家。

現在、過去記事を少しずつ整理していますが、2年近く前に書いた、
セルビアの作曲家一覧みたいな記事を見ていて、
CD化を希望するマイナークラシック曲(7)セルビア編
そこで紹介した作曲家について改めて検索してみたら
何か進展があるのではないか?と思い、
とりあえず、その中の一人である、イスィドル・バイッチを調べてみた所、
彼の代表作である『センベリヤのイヴォ王子』がYouTubeに出ていました。



◎センベリヤのイヴォ王子(Кнез Иво од Семберије)

『センベリヤのイヴォ王子』より、
大チョチェク舞曲(Велика чочечка игра, Velika Čočečka igra)
http://www.youtube.com/watch?v=kfx3ezl7otE


南欧風の陽気な舞曲。
カスタネットの音があるせいか、スペイン風(フラメンコ風)にも聴こえますが、
やはり、長期に渡ってオスマン帝国に支配された影響なのか?
中東風の旋律的要素も見られて、極めて特徴的なものを感じました。
魅力溢れるメロディで、とても聴き応えあると思います。

『センベリヤのイヴォ王子』より、
セルビアの娘(Српкиња, Srpkinja)
http://www.youtube.com/watch?v=6SxMId23G6k


イヴォ王子というのは、正式には、
イヴァン・クネジェヴィッチ(Иван Кнежевић, 1760-1840)
というらしい。
時代設定は、19世紀初頭らしい。
Иван Кнежевић(Wikipedia, Српски / srpski)



◎チョチェク(Чочек)とは

元は、オスマン帝国の軍楽隊の音楽に由来するとの事。
ブルガリア、セルビア、マケドニア、ルーマニアなど、
オスマン帝国の影響下にある地域で広がり、
その為多様性に富んでいるとの事。
それが、ロマやアルバニア人に受け継がれ、
祝いの場等で奏される様になったとの事。
チョチェク(Wikipedia)

『大チョチェク舞曲』の原曲と思われるもの↓
http://www.youtube.com/watch?v=u4C7CBbfIGQ


http://www.youtube.com/watch?v=9HokhsBAHPo




◎センベリヤ(Семберија)とは

要約すると、ボスニア・ヘルツェゴビナ北東部の歴史的地域部分で、
ビイェリナ地方(Бијељинска регија)とほぼ同範囲だとのこと。
語源は、ハンガリー語ではないかとされている。

セルビア共和国に隣接しており、ボスニア・ヘルツェゴビナに於いて、
『スルプスカ共和国』(Република Српска)と呼ばれている、
セルビア人の多く居住する地域に属している。
センベリヤ(Wikipedia)



◎ミロシュ・オビリッチ(Милош Обилић)とは

1389年に、セルビア王国とオスマン帝国との間で行われた戦争を
『コソヴォの戦い』(Bitka na Kosovu)という。
この戦いにより、オスマン帝国はバルカン半島への支配勢力を大きく拡大し、
セルビアは、オスマン帝国への服従を強いられる事になった。

所が、オスマン帝国を支配するムラト1世(Sultan. Murad I)は、
降伏を偽ったセルビア貴族ミロシュ・オビリッチに、謁見の際刺殺されてしまう。
その報復として、セルビア候ラザル(Кнез Лазар Хребељановић)
は処刑されてしまった。

卑怯な方法ではあったが、オビリッチはその行為によって、
セルビアの英雄叙事詩で「ムラトと刺し違えて死んだ英雄」
として伝えられる事になった。
コソヴォが、セルビアの聖地とされているのはその為である。

しかし、バルカンの先住民イリュリア人の子孫とされるアルバニア人にとっては、
セルビア人も後から来た他所者であるため、
また、重要なポストは主にセルビア人が就いていたため、
アルバニア人にとっては甚だ面白くなかったのではないかと思う。

ティトー(チトー)政権時代は民族問題が抑えられていたが、
ティトーが死去したあと民族主義問題が噴出。
最終的には『コソヴォ紛争』にまで発展する。

元々コソヴォにはアルバニア人が数多く住んでいたため、
現在はセルビア人の殆どが、アルバニア人からの襲撃を恐れてコソヴォを脱出し、
セルビアは承認していないものの、実質独立国家と化しているらしい。

因みに、ミロシュ・オビリッチの書かれている叙事詩の名は、
『ミロシュ・ドラギロヴィッチの死』(Смрт Милоша Драгиловића)
というらしい(違っていたらすいません)。
Смрт Милоша Драгиловића (Обилића)(Викизворник, Српски / srpski)



バイッチが「音楽学校を設立した」とWikipediaに出ていますが、
そのサイトと思しきものを発見


イスィドル・バイッチ音楽学校(Muzička škola Isidor Bajić)
http://www.isidorbajic.edu.rs/

検索用に「イシドル・バイッチ」とも打ち込んでおこう。



◎CD化状況
1999年に、バイッチ生誕120年を記念した、
イスィドル・バイッチ音楽学校による音楽祭の録音を収録した記念CDなので、
手に入れるのはかなり困難と思われます。
http://www.isidorbajic.edu.rs/english/2010/01/tribute-to-bajic/
リンク先のCDの画像をクリックすると、PDFが開き、作品リストが出てきます。
何と、YouTubeに出ている『大チョチェク舞曲』や『セルビアの娘』の他に、
『セルビア狂詩曲』等のピアノ曲、歌曲、民謡編曲など、
重要と思われる作品の数々が収録されています。

同音楽学校からは、他にも幾つかCDが出ています↓
http://www.isidorbajic.edu.rs/2009/03/dvostruko-izdanje/

個人的にはまず、
代表作の『センベリヤのイヴォ王子』全曲収録CDでも出して欲しいと思います。

《転載終了》
タグ:セルビア
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